①はこちら

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「こんばんは😄 ご無沙汰してます」


あまりの衝撃に数秒固まって
嬉しさで喉がつまりつつも、声を絞り出す


「羽生くん。覚えててくれたの」

「はい。もちろん😄
 あ、母ももう少ししたら来るので 
 そこに座って待っててもらえば... 
 そういえば
  智也は元気ですか? 今はどこに?」

一緒に遊んでたうちの息子のことも
ちゃんと覚えていたんだね

「元気に家から仕事行ってるよ
 良ければまたうちにも遊びにおいでね」

「はい。時間が取れたら」

思わぬ展開に練習の見学を許されて
こうして羽生くんの練習をそばで見ている


ずっと動画やテレビで追いかけ続けて
私の目にも慣れている
いつも通りのルーティン
いつも通りのリンクイン

途中、お母様が見えて
久しぶりに御挨拶をさせてもらう

いつか機会があったら彼女に
直接伝えたかったんだ

私もずっと羽生くんを応援してること
ご家族のご苦労と、彼を支える献身を
心から尊敬していることをおねがい


羽生くんの練習はいよいよ佳境に入って
時折スマホやタブレットを見ながら
黙々と動作を繰り返す

ステップ スピン ジャンプ…

静まり返ったリンクの中で
羽生くんのブレードが
小気味よく氷を削る音が、まるで
それ自体音楽のように聞こえる

私はフィギュアは素人だけど
今夜の羽生くんは
ことのほか調子が良さそうに見える

羽生くんのために
私の精一杯でいい氷に作ってある
きっと気に入ってくれると信じてた

水分補給で一度集中をリセットしてから
今度は、何度も何度も
アクセル軌道で跳んでは開くを繰り返してる
何かを確認してるように

そして... 


跳んだ!



思わず息を止めて見る
大きく氷が削れる音が聞こえる


一瞬、転倒にひやっとしたけど
高く大きな4A
ここまで出来てるんだ


わずかに着氷出来なかったものの
ジャンプとしては
思わず息をのむ美しさ


もう一度!!


私の目に
まるでコマ送りのような4Aが刻まれる

ぐーっと深く膝を曲げて
でも、持ち前の体幹で耐える


降りた!!

知らずに合わせていた両手を
固く握りあわせて拍手をこらえる
羽生くんの集中を切らしちゃダメ

だけど神様 ありがとう
彼のホームで
成功させてくれてありがとう


涙でぼやける目が
一回大きくガッツポーズをしたあと
上を向いて氷上を漂う羽生くんの姿を追う


ここまでの道のりが
大変だったことは容易に想像出来る
いつか出来ると信じてた
それが彼のホームの氷だったことが嬉しい

きっと来季のどこかの試合で
彼は完璧な4Aを跳ぶ
今日はその新しい記憶の最初の1ページ

気持ちが整ったのか
リンク際に羽生くんが来て
何やら控えていたスタッフに指示を出す
そのままこちらに水分補給に寄ってくる
一瞬迷ったものの声をかける

「4A 成功したね! おめでとう」

「ありがとうございます
 でもまだまだ完成形じゃないから」

「これから曲かけ?」

「はい。今から新プロの
 ステップ練習しとこうかと... 」

そう言って位置についた羽生くんが
流れる曲と同化していく

これは... 
私も大好きなあの曲 なんて美しいキラキラ


羽生くんったら
また私達を違う世界に連れていくわね
これは凄いプロになる予感しかない
衣装はきっと... 


~ Fin ~


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あとがき

まずは、読んでくださった方々
ありがとうございましたラブラブ


今回は
羽生くんが4Aを最初に着氷する時は
アイリンで跳んでもらいたいな
その場面を見られたらいいのにな... 
という私の願望を書いてみました
4Aに成功した
という言霊を羽生くんに送りたかった 
すべては私の頭の中の妄想です  

新プロ練習には時期が早い??
いいの、私が見たかったんだものてへぺろ

アイリンの画像は以前のと現在のと
混ぜて使ってみました
場面にあった画像を探すの
苦労したんですよ~
どうしても無くて、でも欲しかった絵は
妄想通りにコラしちゃいましたあせる


この後日談が、前に書いた
妄想劇場「お邪魔してます編」に続くよう
伏線も仕込んでおいたので
あわせて読んでいただくと面白いかも😉


さて
次回はノッテのトリビュートを...🤔