AIで動画を作っていると、つい「どのモデルを使えばきれいに出るか」に目が向きます。
もちろんモデル選びは大切です。ただ、同じモデルを使っていても、プロンプトの書き方によって結果はかなり変わります。
特に違いが出やすいのは、次のような部分です。
・カメラがどこから何を追うのか
・人物や物が、どの順番で動くのか
・何秒目に場面が変わるのか
・光、色、画角をどこまで固定するのか
・セリフや環境音を映像とどう合わせるのか
「女性が街を走る」という一文だけでも動画は生成できます。でも、それだけではカメラの位置や走る方向、足が地面に触れる感覚、服が動きに遅れて反応する様子までは伝わりません。
少し具体的に書くだけで、AIにとっての曖昧さが減ります。
たとえば、
「手持ちカメラが人物の斜め後ろを追う。前景を通行人が一瞬横切り、ピントが外れたあと、再び人物の顔を捉える」
と書けば、単に「走る」よりも、撮りたい映像の意図が伝わりやすくなります。
## 大切なのは、形容詞より“変化”を書くこと
以前は私も、「cinematic」「dramatic」「beautiful」のような雰囲気を表す言葉を増やせば、映像が良くなると思っていました。
でも実際には、形容詞をたくさん並べるよりも、画面の中で何がどう変化するかを書く方が安定します。
たとえば表情なら、単に「悲しそうな顔」とするのではなく、
・視線が一度下がる
・唇が少し強く閉じる
・息を止める
・相手を見たあと、もう一度目をそらす
というように、小さな動きを順番に分けます。
アクションの場合も同じです。ジャンプした瞬間だけでなく、踏み切り、空中の姿勢、着地、服や髪の遅れまで書くと、動きの重さを伝えやすくなります。
## モデルごとに、得意なプロンプトの形が違う
もう一つ難しいのが、AI動画モデルごとの差です。
短く自然な文章を好むモデルもあれば、時間ごとに場面を区切った方が扱いやすいモデルもあります。複数ショット、参照画像、キャラクター名、セリフ、音声の指定に対応するモデルも増えてきました。
そのため、どこかで見つけた「良いプロンプト」をそのまま別のモデルに貼っても、同じように機能するとは限りません。
私は参考になる動画を保存しては、「このカメラの動きを文章にするなら?」「この表情の変化を別のモデル向けに書くなら?」と毎回考えていました。
ただ、完成した動画を見ながら、人物、背景、カメラ、時間、音を一から分解する作業は意外と時間がかかります。
そこで、この作業を少し短くするために、動画を分析してプロンプト作りの土台を出す [video to prompt](https://video2prompt.io/) というツールを作りました。
まだ改善している途中ですが、参考動画の内容を言葉に置き換える最初の一歩として使っています。General形式に加えて、KlingやSeedanceのようにモデルごとの構造を意識した形式も試しています。
## プロンプトだけで完全再現はできない
ここは誤解されやすいところですが、元動画を分析して詳しいプロンプトを書いても、同じ動画を完全に再現できるわけではありません。
結果には、モデルの特性、参照素材、生成時間、アスペクト比、シード、設定値なども影響します。AI動画には毎回少しずつ違う結果が出る面白さもあります。
だから私は、プロンプトを「完成動画の設計図」ではなく、「モデルに意図を伝えるための撮影メモ」に近いものだと考えています。
何を必ず残したいのか。どこはAIに任せてもよいのか。その境界が明確になるほど、修正もしやすくなります。
AI動画のプロンプトで迷ったときは、きれいな言葉を足す前に、
「誰が、どこで、何をして、カメラはどう動き、最後にどこへ落ち着くのか」
を一度整理してみるのがおすすめです。
それだけでも、生成結果との向き合い方が少し変わると思います。
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※この記事は Video to Prompt を開発している本人が、日々のAI動画制作で感じたことをまとめたものです。ご意見や不具合の連絡先:support@video2prompt.io
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