霊能者シリーズ   第1話 電話に出ない霊能者          第2話 銀杏のある


             第3話 霊能者に会うもうひとつの理由    第4話 S氏の印象

 

             第5話 あぶない、H子               第6話 霊視    


             第7話 霊能者の眼                第8話 霊視の裏付け


             第9話 霊視中に、H子が、消えた……!



しまった……!!


ついS氏の霊視にツッコミ入れてる私の隙をついてH子が部屋から出て行った。


S氏が、ふっと笑った。




おい、おいおい…汗


こういう展開はまずいんだけどなぁ……汗



H子の霊視の時に私も立ち合いやすくする為もあって、H子がこの場に居るように仕向けてたのになぁ。


そして理由はもうひとつ。



H子が席を外したらその後にS氏が言う台詞を予感していたからだ。


それは仮にも能者や占い師と呼ばれている人からは


私が一番聞きたくない台詞だった。



言うなよぉーあせる



「…………」


「は?」



相変わらずぼそぼそと小さな声で喋るS氏の方に思わず身を乗り出した私



「いえ、実はね」


「はい。あ、すみません、もう少し大きな声で」



言うなってばむかっ



「はい、実はですね」



あ、やっぱり言うか?ここだけの話を。



「ここだけの話……」



でたー!!!もう!予想通りなんだからっ!あせる


次にくる台詞はアレでしょ、アレ。


今までの霊視はH子が居たから言いにくかったとかって言うのでしょ?



「さっきまでH子さんが居たでしょ。見えていた部分をあからさまに言えなくてね。気を使って表現が曖昧になってしまいました。はははは」


…………がくぅーっ汗ガーン



だからぁ~誰が人払いを頼んだのよ。私はかまわないって言ったでしょー!何を言ってくれても全然かまわないんだけど最初から!


で、あれですか?今まで当たらなかったのはH子のせいにするんですか?



「H子さん、彼女ちょっと変わってるでしょ?」


「はぁ……むかっ



あなたを霊能者だと思ってるあたりが!


………とは、私の心の叫びである。



「さぁ、では除霊をしましょうか そこへ寝てください」



はぁあああ!?



( 続く )