霊能者シリーズ 第1話 電話に出ない霊能者 第2話 銀杏のある家
しまった……!!
ついS氏の霊視にツッコミ入れてる私の隙をついてH子が部屋から出て行った。
S氏が、ふっと笑った。
おい、おいおい…
こういう展開はまずいんだけどなぁ……
H子の霊視の時に私も立ち合いやすくする為もあって、H子がこの場に居るように仕向けてたのになぁ。
そして理由はもうひとつ。
H子が席を外したらその後にS氏が言う台詞を予感していたからだ。
それは仮にも霊能者や占い師と呼ばれている人からは
私が一番聞きたくない台詞だった。
言うなよぉー
「…………」
「は?」
相変わらずぼそぼそと小さな声で喋るS氏の方に思わず身を乗り出した私
「いえ、実はね」
「はい。あ、すみません、もう少し大きな声で」
言うなってば
「はい、実はですね」
あ、やっぱり言うか?ここだけの話を。
「ここだけの話……」
でたー!!!もう!予想通りなんだからっ!
次にくる台詞はアレでしょ、アレ。
今までの霊視はH子が居たから言いにくかったとかって言うのでしょ?
「さっきまでH子さんが居たでしょ。見えていた部分をあからさまに言えなくてね。気を使って表現が曖昧になってしまいました。はははは」
…………がくぅーっ
だからぁ~誰が人払いを頼んだのよ。私はかまわないって言ったでしょー!何を言ってくれても全然かまわないんだけど最初から!
で、あれですか?今まで当たらなかったのはH子のせいにするんですか?
「H子さん、彼女ちょっと変わってるでしょ?」
「はぁ……」
あなたを霊能者だと思ってるあたりが!
………とは、私の心の叫びである。
「さぁ、では除霊をしましょうか そこへ寝てください」
はぁあああ!?
( 続く )