少し前のお話ですが、「広報の視点」からみて「どうしてノーコメントにしてしまうのだろう
」と思ったニュースががありました。多くの方が目にしていると思いますが、アメーバニュースにもなったこちら、
パリのルイ・ヴィトン店舗、「在庫確保」で営業時間短縮
[パリ 14日 ロイター] 仏高級服飾ブランドのルイ・ヴィトンが、「商品の在庫確保」を理由に、クリ..........≪続きを読む≫
ルイ・ヴィトンのパリ本店は、かつて話題となった日本人観光客、近年では中国やロシアからの観光客などによる「行列の様子」が話題になり、観光という意味での国のパワーのバロメーターにもなっていると思います。
今回は、「生産が追いつかない」「ピークとなるクリスマス商戦まで在庫を確保したい」という目的で、パリ市内の路面店の営業時間を1時間短縮する、というニュースでした
。この営業時間の短縮に際して、LVMH側の本社のコメントは「何もコメントはできない」とのことでした。
このニュースを見て、「ノーコメントなんて、もったいない
」と私は思いました。
この時期に営業時間短縮の決定は、「急激な円高で予想外の売上げ成長」「クリスマス商戦に備えたい」という理由も納得できますし、1時間早い午後6時の閉店であれば観光客に大きなダメージを与えるわけでもありません。(デパート内の店舗は対象外です)
この不況下でも強固なLouis Vuittonのブランド力を示す「ポジティブ」なニュースとして、
「予想より多くのお客様にご来店いただいている」ことに感謝しながら、
「残念ながら、製造が追いつかない」ことをお詫びしつつ、
「クリスマス・シーズンにも、大切なお客様に継続的に商品を届けたいため」
と、前向きなコメントをすれば良いのに
と感じてしまいました。
「ノーコメント」と言われると、常々問題になる「外国人観光客の買い物マナーの悪さ」や、「ラグジュアリー・ブランドに対する意識の違い(階級意識の強い欧米 vs. 外国人観光客)」による理由もあるのだろうなぁ、、、など、かえって理由を深く勘ぐってしまったりして。。。
対外的なメッセージ発信においては、「ノーコメント
」という一言は出来るだけさけるようにしたいものです。伝えたいメッセージを熟慮した上で、少しでも伝える相手側に「ポジティブ」な印象を与える工夫が大事だなぁ
と感じた事例でした
。

