しばらく旅行ネタが続きましたので、今日は久しぶりにマーケティング系のお話です。
私が「マーケティング」と名のつく仕事を始め、自分に色々な任せてもらえるようになった頃、
「マーケターは机にへばりついてちゃダメだよ
。たくさん街を歩いて、お客様が’どんなことにワクワクするか、自分の体で感じなくちゃ
」
と先輩からアドバイス頂いたのを覚えています。その頃の私は目の前の仕事に手いっぱいで、「社内イチ
」と思えるほど、最後まで残業している効率の悪い社員でした
。なので、この言葉が身に染みました。以来、直接自分の仕事に関係なくても、「客として自分が嬉しかったこと
」があった時には、そんな視点で気に留めるようになりました。
関係性マーケティングにも様々な分野がありますが、ざっくりと言えば「企業と顧客の関係性を重視」するものであり、相互作用、双方向コミュニケーションにより長期的に安定した良好な関係を維持する、ということですね。
この「長期的に安定した良好な関係性」を構築しているお店が、私は自宅近くに2軒あります
。ポイントによる囲い込みも、スタンプカードも、顧客情報を渡すことも一切ないですし、ご当人はきっとこんな言葉も知らないと思いますが
。その1軒目が、
「靴修理屋
のおじさま
」
です。私は足のサイズが25センチと大きく、なかなか気に入る靴
に出会えないので、ようやく買えたものは何度もヒールの踵を交換して、必然的に大事に使うことになります(同じブランド・型の靴もリピ買いします
)。そこで3ヵ月に1度くらいは、1-2足を修理屋さんに持っていきます。
私がいつも利用する修理屋のおじさまは「いかにも職人」で、忙しい時は対応もぶっきらぼう
ですが、ちょっと余裕がある時には、たまに笑顔で
雑談をしてくれたりします。たまたま、私が仕事で出会った方が先方の元会社の社長
だったりして、話が盛り上がったことも。
「この材質は浅草橋(←問屋街)で仕入れてきたしっかりした良いヤツだから、長持ちするからね~
」とか、
「今日は忙しいから直ぐできないけど
」と言いながらも、結局は「待っててくれれば直ぐやるよ
」と先に対応してくれます。たまに踵が減りすぎていたりする時も、追加料金なしで土台を直してくれたり、色を付けてくれたりして、とても助かっていました
。
私はもう7-8年このおじさんに持っていくのが当たり前になっていました。ところが、この方の「真価」を知ったのはつい先日のある日のことです。いつもいるはずのおじさまが居なくて、ちょっとだけ若い別の男性がお店にいました。初めてのことだったので私は「もしかして退職しちゃったのかな
」と焦って、
「あれ、いつもの方は
」と聞いたら、「今日は休みです」とのことだったので、一安心。いつもと同じように預けることにしました。するとこの方、普通に、、、
「はい、一足1,500円になります
」と言われ、私は「あれ
いつもの方は、同じこの靴で毎回1,200円ですが
」と聞き返しました。すると、「いえ、ウチの定価はこの金額ですよ
」と先方は譲りません。私は何だか腑に落ちないので、「じゃあ今日は結構です
」と言ってその日は持ち帰りました
。
数日後、改めていつものおじさまにお願いしてみると、やっぱり「はい、一足1,200円ね
」とおっしゃいます。私は特に先日のエピソードを伝えることもしませんでしたが、
「知らないうちに、しかもこちら(客)に言わないで、リピーター割引をしてくれていたのかな
」と信じて、その後もずっと、浮気をせずにこのおじさまに「だけ」、靴の修理をお願いしています
。
何のシステムもデータも使いませんが、まさに「関係性マーケティングの効用
」だと感じる事例でした。いつか私がここから引っ越すとき、きっと「今までお世話になりました
」と、お礼とご挨拶に行くと思います(笑)。
しかし考えてみると、昔ながらの商店街とか、個人でやっている商店などは、昔からこうした「関係性マーケティング」でなりたっているのですよね
。
こんなお店がもう1軒ありますが、そちらのエピソードはまたの機会に![]()
。
