今から2年前、あ~やが1歳になってすぐだったと思う。
「僧帽弁閉鎖不全症」と診断された。
その頃のあ~やの様子は、
- ほっぺが、リンゴ病のように赤い。
- うつ伏せで寝ることが多い。
- 日中は喉の奥からゼロゼロと音がしている。
- 顔に浮腫がある。
この時は、赤ちゃんならそういうこともあるだろうですむ話だと思っていた。
生後すぐに肺高血圧症のため保育器で2週間程過ごした。そして、遺伝子検査の結果「ダウン症候群」と告知された。それから少しして合併症が1つ見つかった。それは「心房中隔欠損症」だった。
あ~やは、心房の左右を隔てる壁に小さい穴が空いているだけなので、もしかしたら自然に閉じるかもしれないということだった。なので、あまり心配はしていなかった。
ダウン症のお子さんは心臓病を合併する率が50%なので、それぐらいは予想範囲内だった。
しかしである……。
生後半年を過ぎたあたりから、心雑音が酷くなりエコー検査を月1回するようになった。
そして心臓の負担を減らすための降圧剤を処方された。
なんでこんなに心臓ばかりを検査するのだろう。そして、薬を飲まなきゃいけないってどういうこと何だろう……。
日に日に募る、背筋が寒くなるような気持ち。
そして1歳となったあ~やに医師が告げた病名は「心臓弁膜症」だった。
心臓には4つの弁があるのだが、その1つである僧帽弁に逆流が見えるというものだった。
どうやら僧帽弁を開閉するための糸状の腱索(けんさく)に問題があるようだった。あ~やの場合は腱索の長さが一致せず、弁が閉じる時にずれが生じ逆流が起きていたようだ。この弁の不具合は先天性であり、ダウン症だからとかでは無いらしい……。
このまま少しの逆流なら問題ないが、成長と共に活動量が増えてくると、いよいよ心不全へと進んでしまうという。
その病名を聞いた初日は、本当に怖かった。そして、何故うちの子ばかりがこんな目に会うのかと、運命を呪いたい気持ちでいっぱいだった。
出来ることなら、このまま成長が止まって逆流が増えてくれるなと願った。
ただでさえ発達に遅れがある我が子だが、心不全になるくらいなら、
もうこのまま歩けなくてもいい!
体重も増えてくれるな!
とさえ思った。
その日から手術の日までは、エコー検査のたびに一喜一憂して過ごすことになる。
心臓に負担がかからないよう、泣かせないように気を張っていたあの頃の自分に教えてあげたい……。
"大丈夫!手術はすることになるけど、走り回れるくらいにあ~やは回復するから"と。