観察力は治療力

 

僕は普段鍼灸師として

痛みやしびれ、不定愁訴などでお困りの方に鍼治療をしています。

 

「観察」は治療をする上でかなり重要な能力になります。

 

患者さんの体の状態や鍼を打った際の反応、

精神状態はどうなのか、

本当は痛みが根本的な問題ではなく他に伝えたい事があるんではないか、

治療に対するモチベーションや

治療者(=僕)に対して信頼は得られているのか、

 

などなど。

いろいろなことを治療中に観察しているのです。

 

「うまい治療者」というのは、

得てして観察眼が鋭いです。

観察力は治療力に直結すると感じています。

 

 

 観察力はデザイン力

 

僕がもっていたデザインのイメージって、

ものづくりや広告などの色・フォント・配置など

一般的にデザインと聞くと浮かぶものだけでした。

 

最近デザイナーさんの文章や対談をよく読んでいるのですが、

自分が思っていたよりもデザイナーさんって

もっとすごいことをやっている人たちなんだと分かり、

デザインに対してさらに興味が湧いてきています(笑)

 

デザイナーの佐藤オオキさんはデザインについて

 

デザインとは、かつてのようにモノそれ自体の機能や形だけではなく、その周辺の求められる用途などを分解して観察し、それらを構成している多くのパーツを見つける手法です。

 

こんな風におっしゃっています。

 

観察する力がそのままデザイン力になるのだと思います。

 

 

 

 オープンマインドの重要性

 

実は観察力は治療を受ける患者さん側にも大切な力になります。

 

人間には内受容感覚というものが備わっています。

内受容感覚とは痛みや呼吸、心拍などの

生理的なものに対する感覚のことで、

この感覚が情動や気分、感情を作り、意識の基礎を構成しており、

生きていく上での基本的な機能を維持していると言われています。

 

この感覚が弱ってくると、

うつなどの症状がでたり、

痛みが長引いたりすることが想定されています。

 

近年注目を浴びている「マインドフルネス」とは、

この内受容感覚の知覚を高める効果があるのではと期待されています。

 

 

 

 

 美術館を楽しむように鍼を受ける

 

美術館や個展などのアート作品を見ようとすると、

人は自ずと心をオープンに開いて

この空間にあるものを理解しよう、

味わおうとしますよね。

 

それが、まさにマインドフルネスのような効果をもたらし、

内受容感覚を高めるのではと思います。

 

僕は最近アートに興味を持ち始め、

素人ながら美術館での鑑賞を楽しんでいるのですが、

いつもとは違う非日常の空間で、

感性が開かれる感覚があります。

 

自分の治療院では、

鍼治療だけではなく、

治療院の空間を含めて

そんな「開かれる感覚」をクライアントに感じてほしいなと思っています。

 

オープンマインドの状態で

ご自身を色々と観察してほしいのです。

 

鍼を受けているときに感じた感情ってどんなかんじ?

鍼を受けているときに頭に浮かんできた出来事ってどんな意味があるのだろう?

ポカポカと体が暖かくなってきたな

そういえばいつも冷えていたんだな

 

などなど。

 

治療後も観察を続けることでそのパワーがかなり発揮されます。

 

 

めざすは治療院の美術館化(笑)

かなり大雑把なイメージなのですが、

どんなことがやれるのかを日々考えていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

今回の学び

・観察力がレベルアップすると、人生をよりよく生きる力もアップする

・観察力をつけるにはどうすればいいか?課題がみつかる