久保田早紀
~サウダーデ~


 懐かしのミュージックが続きます。このアルバム、「異邦人」が収録されているとのことで買ったが…
 アルバムヴァージョンだった。その分怪しい楽器演奏とポルトガル語と思われるポルトガル人のしゃべりに付き合わされる運命になった。最初失敗したと思ったが、よく聴いてみるとポルトガルの楽器と曲が見事にマッチしていたため意外に良かったという結論に達した。しばらくしてホンマもん(要するにフツーのヴァージョン)が「未来の想い出」(清水美砂、工藤静香主演)という映画のサントラに収録されていたので買った。
 で、ジャケットをよく見てみると、

「PIANO 羽田健太郎」
と書いてあるではないか!シウマイの崎陽軒のCMにもでていたあのピアノのオッサン!すごい凄すぎるこのアルバム!と一人驚くのであった。さりげなく凄い。よく聴いてみると、ピアノだけがやたらめったらセンセーショナルなのでおかしいと思ったが…羽田健太郎の実力を感じさせる一枚である。このアルバムは久保田早紀の三枚目のアルバムだそうだが、三枚目でポルトガルだから凄いや。曲名も何か異邦という感じがする。ということで曲紹介(色付きは個人的に好きな曲)。

 異邦人
カミュの「異邦人」を知るよりも久保田早紀の「異邦人」を先に知ったのは果たしていいものなのかと思う今日この頃。実際そうだった。

「アルファマの女」
いったいどんな女なんだか。船乗りには恋してはいけないとパパが教えてくれる歌である。遭難したらそれまでだからなのだろうと推測するが、違う意味だったら凄い。

トマト売りの歌
トマト売りなんて今存在するのだろうか?

「18の祭り」
文字通り18の娘が祭りに出る歌。祭りが18あるわけではない。

4月25日橋
最初の異邦人のオープニングに関係がありそうなイントロで始まる歌。不思議な名前の橋「4月25日橋」。♪それはあまりにも突然の仕打ち…って受けたくない仕打ちである。突然の仕打ちはかなり痛い。ヒトの気持ち考えろよ~って思うが、ヒドくなければ仕打ちとはいわないか…

 「サウダーデ」
のびのびと歌っております。ここから何か雰囲気が変わるのでおかしいなと思いきや、レコーディング場所が変わっていたのである。「4月25日橋」まではポルトガル、「サウダーデ」から信濃町…差が激しい。

 九月の色
♪雨の歌は恋の歌 恋の歌は別れの歌…悲しいじゃん。という感じが速いテンポで流れていく曲。「サウダーデ」と対照的でありしかも昭和50年代を感じさせる曲。八神純子などの系列を感じた。

「憧憬」
「どうけい」と読むか「しょうけい」と読むか一体どっちなんだろう?「モナム」って何?「モナー」なら知っているが…いつまでも20歳って「磯野カツオ」みたいな感じであるがよく聴いてみるとどうもそうではないらしい。

 真夜中の散歩
危険である。あてもなくどこかに行きたいまではともかく「ヒール鳴らして」行ったらさぞ近所迷惑であろう。私に構わないで…っていわれてもヒール鳴らしてたら「鳴らすな」ぐらいは言われるであろう。この道を裸足で駆けた日もあるというからきっと足の裏が血まみれになったことであろう。痛かろうに。

「ビギニング」
 ビギニングとか言っておきながらアルバム最後の曲だったりする。
 
 総じて悲しい感じがするアルバムだが、やはり羽田健太郎の力は凄いと感じた。このアルバムは中学生の時購入したが、その時には羽田健太郎といわれてもピンとこなかった。それにしてもやたら鮮烈なイメージがあったのは今思うと納得。
 「CD選書」シリーズはまさに「選書」だわと思った。当時他にも東芝EMIが「音蔵(おとぐら)」シリーズを出しておりどっちも凄かった。CD選書は安価な分CDケースも薄く安っぽい感じがした一方で音蔵はCD選書に近い値段でフツーのアルバムのCDケースと同じ厚さだったので見た目で音蔵に走っていたのは事実である。しかしCD選書のCDケースの厚さが今やマキシシングルの厚さであることを考えるとCD選書の方が先見の明があったのだろうか。とあれこれ余計なことを考えてしまったのでこの辺でやめておく。