嗅覚は五感の中の一つで脳が記憶する。

思い出と香りがリンクする事をプルースト現象とよぶ。


遡る事30年前のことだが学生の頃部活帰りに、香付けするのにビバーチェのピンクをつけていた先輩がいた。ビバーチェって三色あって、どの香りも大好きだったんだよね。二層になってる液体をシャカシャカして混ぜて使うんだけど、お小遣いで買うにはちょっと高くて。でもあれを手にいることに憧れていた。狙っていたのはピンク。翌年お年玉で買ったビバーチェピンクは大切に使っていた。


進学した頃はアルバイトをはじめて、香りに興味を持ったままで視野も広がりブランド物の香水を沢山買う様に。CKのeternityとかJ.Pゴルチェとかジバンシイなど。どの香りも嗅ぐとあの頃の記憶が蘇る。もうかなり前なのに。かなり鮮明に覚えてる。


家族が増え自分自身にも興味が薄れてきたころには、香りをつける事をしなくなっていた。

それから月日がたち今。また香りに興味を持った。

たまたまの事だ。すごく綺麗な人がいい香りの香水を纏っていた。その人に似合っていて上品な印象を受けた。何故か私の興味まで呼び起こした。そんな事あるなんて。その日帰宅後すぐに棚の奥にあるCHANELのchanceを引っ張り出した。あーこれ懐かしいかおり。旅行した時に買ったものなんだけど大事に保管してたから劣化を感じる事なく綺麗に香る。しかし今求めている香りじゃない。て事でネットでサンプルやムエットを取り寄せる。便利な世の中じゃな。誰もが知ってるブランドものじゃなくて、ニッチフレグランスだとかフレグランスメーカーなど様々なものがある事がわかった。


そんなある日香りの祭典。デパートにてイベントが開催される情報を掴んだ。様々なブランドや各種香りのものが無料で試香できる。そんなありがたいイベントがあるなんて。参加するしかないだろう。普段あまり使わない有給を一ヶ月前から入れる様に入れ予定通り休めて、期待と緊張とワクワクの三重奏を奏でながら向かったのである。制限時間ありだったのが誤算なのだが初心者の私にはそれぐらいの時間で良かったのかもしれない。進路説明会と被ってしまい3時間ぐらいしかいられなかったけど十分楽しめた。


ラニュイ/ラフマニノフピアノ協奏曲第3番

サンタマリアノヴェッラ/ローザ


を持ち帰ることに。

データ的には情報を入れてたけど、試香するとなんとも言えない。やはりデータと実際買いでみると違うのだ。結局のところ買おうと意気込んでいたものとは違うものを購入したけどとても良い買い物ができて帰り道ホクホクだった。ゲランのアクアアレゴリアシリーズなんかどれもいい香りだったし、サノマやコレテルノのレザーの香りが嗅ぐことができたのには大満足だった。


このイベントがきっかけで今では種類が増えている。

今持ってるものを愛でながら他の香りにも興味を持っていくのだろう。