美しい!



今回の映画は不良娘ジョディフォスターが女友達と酒場に繰り出したところ

ナンパされた男性と踊っているうちに輪姦されてしまう。

このことをジョディフォスターが告発するが輪姦した男3人は強姦であることの立証が出来なかったが故罪は過失傷害になる。

過失傷害になったことを怒ったジョディフォスターの無念を晴らすため女弁護士が立ち上がる

過失傷害ではなく強姦罪であることをどうやって証明するか、女弁護士が考えに考え現場に行ってひらめき、過失傷害の判決のその先どうなるかという話。



さすが自由の国アメリカだなと思ったのは、ジョディフォスターのような大女優が強姦される役でしかも不良風ってこと。



マリファナをやり大酒飲み、事件当日はノーブラにタンクトップと言う格好で酒場へ行き

大学生の男の子を「あの子可愛いから一発やりたい」と女友達とささやいていたセリフも聞かれ、

そのあとでナンパされた男にもらったお酒を飲んで、ゲームマシーンで遊んで踊った後強姦されたという内容。



ここまで聞いて6割から8割の日本人は 



それは被害者が悪いよ 



または



被害者が悪いよって言われて終わるでしょ



って思う話。



この悔しいけど、持っちゃうであろう感覚が、最後はくつがえされる。

3人は強姦罪が適用される。



冒頭からジョディフォスターが痛々しい体を病院で撮影されていたり

事件のシーンは怖くて早送りにしてしまったが、

ジョディフォスターが

「私がヤク中だから強姦されて当たり前なの?」と何度も女弁護士に食って掛かるシーンは迫力が有り

女の悲しみとアメリカ人ならではの強さみたいなものが全身で表現されていて、

まさかデビュー作付近の作品だとは思えないほどの迫真の演技だった。



頭のいい女優は違うなぁと思う。

「彼女の気持ちはわからない」と仰ったそうです ジョディ様流石。簡単に大衆にはかたよらないのね。分かったよ。



あと、被害者の女がどんな不良であっても前歴があっても、たとえ半分裸のような恰好をしていても

途中まで男についてキスしてダンスしたとしても強姦は許されない。

被害者の女が罪を誘引したかもしれない事実は罪の軽減材料には少しもあたらないこと、

人間は簡単に公平さを欠いた判断「彼女にも落ち度があっただろう」をしてしまう、怖さを

よく書いていると思った。



事件直後実家に電話したのに両親に実家に帰ってくるなと言われ

彼氏ともけんかをし、強気に彼を追い出して髪をショートに切って臨んだ裁判で震えながら自分で事件の事を語った強さ、気丈さが素晴らしい。



女は強いっていう言葉は日本の場合ほとんどが忍耐、沈黙を指すと思うんだけど

そうじゃなくて 

自分がきちんと大声で何度も主張することが強い、強くなった上で始めてフェアな土俵にたてると教えてくれる映画でした。

この考えは五年後変わるかも知れないので備忘録に残すことにした。