前回、ベルヴェデーレで始めた庭仕事のボランティアについて書きました。
ベルヴェデーレでのボランティア活動は週2回行われているのですが、
その内1日はアルペン庭園 Alpengartenで作業をしているので、
そのことについて書きたいと思います!
クリムトやエゴン・シーレの絵が所蔵されている美術館が有名なベルヴェデーレ宮殿ですが、
上宮と下宮の間の斜面に広がる壮大なバロック庭園は、住宅街の中に急に現れる違和感も相まって、訪れる人を圧倒します。
このバロック庭園の横に平行に植物園Botanischer Garten もあって、広い敷地に多様な種類の木や花が植えられています。
ここも入場無料で歩くことができます。
バロック庭園にはほとんど影になる木が無いのですが、植物園は木が生い茂っていて夏でも心地よく、地元の人たちはよくここでお散歩したり、ベンチで本を読んだりと、まったりスポットとして愛されています
ただこの植物園だけは、ベルヴェデーレの一部でありながらウィーン大学が研究用に所有しているので、ボランティア活動の管轄ではないそうです。
前置きが長くなってしまいましたが、今回のテーマは、アルペン庭園です。
名前の通り、アルプス地帯の植物が集められた庭園で、入場料大人4ユーロ(シーズンパスは12ユーロ)を払います。200年の歴史があり、アルペン庭園としてはヨーロッパで最も古いそうです。
私は10年ほどウィーンに住んで、ベルヴェデーレにも何度もお散歩に来ていましたが、
アルペン庭園のことはボランティアに参加するまで知りませんでした。
なぜなら!まず入口がとっても見つかりにくいのです。
ベルヴェデーレ宮殿の上宮側の入り口から敷地に入ると、右側にずっと植え込みがあるのですが、一つ目の門のちょっと手前で植え込みの後ろに回り込むと、その入り口がひっそりと佇んでいます。
しかも、毎年3月の終わりから8月の頭までのおよそ4か月間だけ、開花のシーズンに合わせて開いているのです。今年はコロナのせいで開園が5月の終わりになってしまったので、実質2か月ちょっとしか開いていませんでした。
見ごろは5月から6月にかけて。
園内に入ると、山特有の、色とりどりの可憐な植物が出迎えてくれます。道があるような無いような、敷地いっぱいに植えられた植物の中を歩いていると、本当にアルプスに来たような気持ちになります。
そんなに広くないお庭ですが、迷路のようで、どこを歩いているのやら分からなくなり…
じっくり花を観察したり、写真を撮ったりしていると、すぐに1時間くらい経ってしまいます。
ベンチで本を読んだり、長居をしても全く問題ありません。
しばらく園内で迷っていると、いつの間にか古いレンガの壁に囲まれた、
盆栽 が並べられた一角にたどり着くかもしれません。
これらの盆栽は、1980年に、日本から友好の証として贈られたものが始まりだそうで、
今ではかなりのコレクションがあり、樹齢100年近い木もたくさんあります。
ボランティア中、普段一般の人が入ることができない盆栽ハウス(外から眺めることはできます)で作業をさせてもらったことがありましたが、私の祖父母より年齢の高い木に囲まれて、ちょっと緊張しました。
たまに入り口のところで余った植物などを格安で売っているのですが、私もこの多肉植物ちゃんたちを1つ1ユーロで家に持って帰りました。
いつか暖かい季節にウィーンにいらしたら、このレアな庭園もぜひ覗いてみてください!
熊田アルベルト彩乃
Ayano Kumada-Albert