後宮の奥深くに住み、妃でありながら皇帝の夜伽をしない『烏妃(うひ)』と呼ばれる特別な妃の寿雪と皇帝高峻の物語です。
不思議な力を持ち、呪いやまじないを得意と噂される寿雪の元に、高峻が皇太后の企みを暴いて欲しいという依頼を持ちかける所から物語が始まるので、勝手に皇太后や妃となった女達の権力争いなど、ドロ沼な物語を想像していたのですが(^^;;
後宮内に現れる幽鬼の心残りを晴らし楽土へと送る、ドロ沼も多少有りつつも、優しさの中に一抹の物悲しさを感じるお話しと。
高峻の過去、皇后に嵌められた母親の死と、年の離れた友とも兄とも慕う宦官の死に対する悲しみと後悔、”禁忌”とされる烏妃という存在の謎、歴史を翻すかもしれない寿雪の出生の秘密を問う連作短編でした。
出生の秘密という呪縛。
それに伴い、先代烏妃以外とは誰とも深く関わろうとせずにいた一人っきりの孤独から解放され、少しずつ心を開いていく寿雪。
過去の出来事を克服した高峻の2人が、皇帝と妃(妃といっても形ばかりですけど(^^;;)という立場を超えて、今後どのような関係になって行くのか2巻を読むのが楽しみになりました(^^)
この本、中華系ファンタジー小説なんですが。
話の背景もキャラクター設定もかなりしっかりしていて、大人でも充分楽しめるお話でした。
こんなにもしっかりした内容だとは思っていなかったので、もっと早く読めばよかったって後悔したほどです(^^;;
それぐらい、面白くおすすめの本です。
内容(「BOOK」データベースより)
後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという―。時の皇帝・高峻は、ある依頼のため烏妃の許を訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す禁忌になると知らずに。
集英社 (2018/4/20)
