【感想】 瑕死物件 209号室のアオイ / 櫛木理宇先 | 活字大好き本のむし 綾乃の本のつぶやきブログ

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本を読むのがとにかく大好きです。
そんな好きな本の感想などを字数にとらわれず、つぶやいていくブログです。

高級マンション『サンクレール』。

そこに住む住人の元に葵という謎の少年が現れ、女性の心の隙間と家族に入込み、少しづつ家族を崩壊させていく連作短編です。
 
育児に無関心な夫と手のかかる息子、妻であり母の奈緒 407号室から始まり。
 
いつまでも子供のような若い姑と同居するキャリアウーマン 亜沙子 2207号室
 
結婚によって高校生男子の義母となった女性 千晶 1604号室
 
マウンティングする妹から逃れるため、チョコレートに依存性する 和葉 209号室
 
そして最後に、サンクレールに複数の部屋を所有するオーナー女性 波佐野羽美。
 
それぞれの元に葵が年齢を替えて現れ、いつの間にかするりと家庭に入り込んで、家族の仲を壊していくのが、なんとも不気味でコワイ((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタ
 
最後に明らかになった葵の正体は。
209号室に封印された過去の土地の因縁。
(マンションが建つ前の、波佐野医院や前身であった堕胎専門の助産院)
美羽の母親茜のイマジナリーフレンドのようだった名もなきものに、正しい名を刻印することで、土地もモノもはじめて機能する要素を含み実体化。
 
さらに209号室に心に闇を抱える和葉が住むことで、それが解き放たれ始まりの主婦奈緒から、最後に茜の娘である美羽へと物語へと繋がって行き。
女達の嘆き、苦悶、呪詛、堕胎、間引きなどによって殺された子供たちの集合体であった葵が、母親や家族を求め。家族を壊し必要のない女性を排除していく話しだったのですが。
 
怖さや不気味さの中にも、どこかやるせなさが残る、ちょっと小野不由美先生の『残穢』と、櫛木先生の『侵食 壊される家族の記録』(改題改稿前『寄居虫女』) が合わさったような、サスペンスホラー、イヤホラー(そんな言葉あるんかい(^^;;)、ミステリーホラーのどこに属したらいいのかな分からないですが、読んだ後しばらく怖さというか不気味さが残るお話でした。
 
ホラー系苦手な人にはちょっと難しいかも知れません(^^;;

 
内容(「BOOK」データベースより)
誰もが羨む、川沿いの瀟洒なマンション。専業主婦の菜緒は、育児に無関心な夫と、手のかかる息子に疲弊する日々。
しかし209号室に住む葵という少年が一家に「寄生」し、日常は歪み始める。
キャリアウーマンの亜沙子、結婚により高校生の義母となった千晶、チョコレート依存の和葉。
女性たちの心の隙をつき、不幸に引きずり込む少年、「葵」。
彼が真に望むものとは?
恐怖と女の業、一縷の切なさが入り交じる、衝撃のサスペンス!
 
KADOKAWA (2018/11/22)