オムツが濡れてないことを確認され、上の人と相談した結果、トイレに行く時だけ拘束外してもいいと言うことで、トイレに行けました。


そしてまた素直にベッドに上がると、看護師が


まな板の上の鯉だね


と言ってきました。


普通は、抵抗するんでしょうね。


何故か真面目に自ら拘束されに行きました。


そして、幻視もあり、鍵の穴から覗く目が見えたり、天井からぶら下がる人形やら、人やら色々見えて、何かに取り憑かれているという妄想にかられました。


そして、家族が保護室に面会に来ました。


ベッド上で、拘束している姿は見せないようにとの配慮か、普段はかけられていない布団を掛けられた状態での面会でした。


そこで、長男が、


お母ちゃん、このお部屋はトイレが見えて恥ずかしいから、早く出ようね。


と言ってくれました。


親であることは、なんとか理解していたので、なんとも複雑な心境でした。


まだ、自分は皇族で、子供たちは自分の手から離れてしまったという妄想で、話しかけていいのか分からなかったので、


うん。


とだけしか、言えませんでした。


みんな、変わり果てた姿にショックだったのか、無言だったような気がします。


その後、内科の先生だと思うんですが、打撲や、傷の状態を診てくださり、


これはどうしたんですか?


と聞かれたので、


皆にやられました。


と答えました。


妄想の世界にいるので、自分でやったんですが、仕方ありません。


そうですか。


と言われ、出ていかれました。


そして、主治医の回診の時になると、何故か覚醒し、普通の受け応えをします。


先生は、幻聴にも妄想にも出てきましたが、その中では怖い存在だったように思います。


実際は優しいです。