お久しぶりでございます。
まだ6月なのに、関東地方はこの暑さ☀️
夏は大好きな季節ですが、流石に体がまだ慣れてなくて、必要以上に疲れます。


さて、今回YouTubeに上げた
シューマンの「トロイメライ」。


通常、私が曲を仕上げていく段階として…

①楽譜を読み、曲の構成や作曲者の意図を理解し、

②自分の想いを曲に寄せていき、

③その場面にはどんな音質、音色が合っているのか。
どんなフレージングにしたら良いか。


何て言う感じの進行具合が多いのですが、


今回は先ず
①曲の中の調性の変化とクライマックスを理解し、

②それぞれの調性により、音質と音色を先ず決め、

③そして最後出来上がった演奏に、想いをつけてみたら、、


不思議なことに、ちゃんと物語になってしまうではありませんか。


これ、実は不思議でも何でもないのですね。
天才作曲家が、しっかり作り込んでいる楽曲なのですから、
それは小品だろうと、ソナタのような大曲だろうと
既に見事に完成されていて、演奏者が楽譜の中の指示、そして書かれていない音楽的要素を紐解いていくと、、

フレージングやクライマックス、音色などもおのずと定まってくる、、、
というわけなんです。

今回のトロイメライのように、メロディがゆったりと進行していく曲で大切なことは
メロディの歌い方や間の取り方も重要な要素だと思います。




実は私、この曲を小学生の頃コンサートで弾いたことがあるのです。
もう15年くらい前のこと…

まあまあ綺麗に纏まって弾けたという記憶…
勿論今回より随分と速いテンポで。

多分、癖の無いBGMにもなるような、
流れる演奏だったのではないか、、
と自分でも推測出来ます。

15年前の私は、勿論過去の経験も多くなく、
自分自身の意見も確立していない
素直な子供だったので?
当然と言えば当然の演奏。

現在の演奏はこんな風に変わりましたが、
又15年後、今度はどんな風になっているのか、、


つまり、人生の経験を積んだ大人の方の演奏は

心と共に、個々の手指にもそれぞれの歴史が重ねられ、それに色合いや重みや温かさとなって音に表れる。
それが解釈や技術の正解云々ということを超越してしまうような説得力となる。

こういうことなんじゃないかと改めて思いました。



現在私が指導している大人の方々は
勿論ピアノ上級者の方も大勢いらっしゃいます。
又キャリアを積んでキラキラと光っている方。人として魅力的で、皆さん個性も豊かでいらっしゃる。
私のほうが学ばせて頂くこと多し。


では、私が出来ることは、、
たとえ若輩者であっても
楽譜には表記されていない、書かれていない空間の音楽的部分を、
弾く方と一緒に探って浮き立たせ、
どんな音楽にしたいかの方向性を示すお手伝いをする役目だとも思うのです。



この全く違う個性の生徒さん方が、
皆んな同じ曲を仕上げたら、どんな風になるんだろう??

なんて、ふと思ってしまいました。


演奏も指導も奥が深い!