2019年も半分をすぎ・・・もうすぐ8月。

 今年前半は、今までの人生に無いくらい、地球を飛び回っていた。仕事で、そしてプライベートで。

 

 ふと、思い出すことがある。 

 

20代の終わりころだったろうか。その年の目標を考え、

「海外に3回行く!」

って手帳に書いたことがあった。 ただ、残念ながらその目標はかなわず、その年は英国とニュージーランド、2回出かけただけだった。

 

 そして、その数年後。

 

「あれ?今年3回海外行ってた。夢っていつのまにか、叶うんだ!」

と思ったことも思い出す。

 

 そして今年・・・3回どころじゃなくて、移動移動、また移動・・・国の数だけで言えば、半年で13ヶ国訪問!今までにないくらい忙しかったけれど、もちろん充実もしていた。そして2019年後半は、まだまだ続く。あといくつの国に出かけることになるだろう?!ドキドキしつつも楽しみだ。

 

 いろんな場所に行って、必ず私がしていること、それはその地のビールチェック。

 

 仕事の出張等で海外に行く場合は、時間が限られるので、可能であれば、ということになる。

 それでも、世界でクラフトビール大ブームの今、スーパーや空港でだって、面白いビールが買えるチャンスが結構ある。なので、たいがい、スーツケースも手持ちのバッグも、大好きな液体物でずっしりと重くして帰国する。

 

 今年は、数年前にでかけた場所に再訪することも多かった。5年ぶりのイタリア、3年ぶりのフランス、2年ぶりのロシア・・・そして、そこには、以前無かったビアショップが、ビアパブが、・・・グーグル検索すればニョキニョキと立ってるのが判って、おおっ!と思う。

 

 そしてそんなビアパブに行くと、いつだってどこでだって、落ち着ける。

 

「クラフトビール」や「美味しい物」が好きな者同士が集まっているから、「ビールの楽しみ」をファン同士で、店員さんやマネージャーさんとも、分かち合うことができてすぐ仲良くなれるし、とにかく盛り上がる!!本当に、楽しい幸せな時間を過ごすことができる。

 

 これはビールに限った話ではなく「好きな物が集まる場所に行けば、好きな者同士が自然に集まる」ということだろう。

 

  さて、ビールを飲まない友達に、いまだに聞かれることがある

「クラフトビールって何?」

 

 今日は、お世話になりっぱなしの、グーグル先生に再度訊ねてみることにする・・・ふむ。いくつものウェブでの解説がされているので、これ又非常にお世話になっている「ウィキペディア」先生に聞いて、導入部分を以下に引用させていただくことにする。

 

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 クラフトビール (英語: craft beer) とは、英語で「職人技のビール」「手作りのビール」などを意味する表現で、大手のビール会社が量産するビールと対比して用いられる概念。日本語ではクラフトビアと表現されることもある。地ビールとも呼称される。

 

※クラフトビール Wikipwdia (興味持っていただいた方は、実際のウェブサイトにて続きをご参照ください)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB

 

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  「職人」が造る「手作り」の材料にこだわり、製法にも工夫を重ねてこだわったビールは賞味期限も短く、価格も大手ビールの何倍も高いけれど、とにかく美味しい。

 

(もちろん味の好みは人それぞれだし、クラフトビールのタイプに寄ってはニガテな方もいらっしゃることでしょう。日本の大手ビールも、実は海外の方から美味しいと人気が高いことが多かったりします)

 

 この例えが皆さんに響くか判らないが・・・例えば、スーパーで大量に売られる「お徳用寿司」と、高級寿司店のカウンターで食べる板前さんのこだわりのお寿司。もしくは、地元のこだわりのレストランのシェフが作る新鮮なお刺身のカルパッチョ。これらは別もの。

 

 前者が大手ビール、後者が地ビールやクラフトビールといったイメージで表してみた。

 

 ちなみに、私自身「お徳用寿司」も時々買うし、大手ビールを飲むこともある。スーパーの良さ、大手の良さもあり、楽しめる。ただ・・・できたらクラフトビールを飲みたい。美味しいということはもちろんのこと、そこには「その土地のローカルな特徴」「その時の最新文化」もぎゅっと詰まっていて一緒に味うことの出来る喜びがあるからだ。

 

 そして、ローカルクラフトってすごい・・・と度肝を抜かれることもある。

 

 今年2月、パリにて。

 

 「HOPPY CORNER(ホッピーな街角)」という名のクラフトビアパブに飲みに行った。今日のTap(生で飲めるビール)リストをチェック。そして、ローカルな醸造所が造っていると言う「NEIPA(エヌイーアイピーエー)」を注文。それを、ひとくち飲んで

 

「えっ。これがNE?! ジュースみたい・・・?!飲み物として美味しいけど、ここまでNEっぽくないNE飲んだことがないよなぁ」

 

 NE・・・クラフトビール好きの皆さんなら、この大人気のビールスタイル、もちろんご存知かと思う。

 「New England India Pale Ale = ニューイングランドスタイル・インディアペールエール」の略称が「NEIPA」だ。

 ニューイングランドは米国の地名。カナダにもほど近い東海岸の北部のエリアだ。そこから発祥したビアスタイルが、今や世界で造られる人気スタイルに大成長した。

 

 ちなみに、IPAは「India Pale Ale = インディア・ペールエール」の略で「アイピーエー」と読み、日本でも「多くの人が聞いたことがある銘柄」ビールのひとつとなってきている様に思う。

 

 発祥は18C末、インドがイギリスの植民地だった頃、インドに滞在する英国人用に造られたペールエール(澄んだ色の上面発酵ビール)が由来と言われる。航海輸送中傷まないように、防腐剤の役目も持つホップを大量に投入し、よってその苦みも強いビール、ということで、刺激的な苦さガツン!というビールがIPA・・・そんなイメージのビールが、ここ何年もクラフトビール好きの間で人気を博してきている。が、時は流れ、香りを楽しみながらゆっくりと飲むビールスタイルにも注目が集まるように・・・

 

 そして突然、2017年頃より「NEIPA」は爆発的な人気を得て、2018年には「米国ブルアリー協会」よりがひとつのビアスタイルとして認められ(ビール好きの中では)大きな話題になった。

 

 実は2014年、NEIPAという名前がまだ、この世に産まれていなかったころ、私はニューイングランドのバーモント州に10日ほど、仕事で滞在した。そこで、地元の人たちが誇りにしているという美味しいビールに出会う。 それが「NEIPAの元祖」アルケミストの「Heady Topper (へディートッパー)」。だった。

 

「へぇ・・・IPAって苦いだけじゃないんだ!あれ?コレ、美味しいかも・・・!?」

 

と目から鱗が落ちた私は、滞在中、そのエリアで様々な(ある意味リアルな?地元NE)IPAを飲みまくって、そのスタイルも好きになっていった。

 

(なお、へディートッパーは以前に比べれば米国でも買える場所が増えてきているそうですが、基本的には地元で発売になると、すぐ売り切れてしまう希少性の高いビールということで・・・興味がある方は、ぜひニューイングランドに出かけてみては♪)

 

 そんな訳で、NEブームが突然盛り上がった時にはビックリした。

 

 カナダに近い、涼しくて爽やかな気候が「ニューイングランド」の特徴、という実際の印象が強かったから、フルーティなお味から発想を得た、「トロピカルなデザインボトル」に「NEIPA」の文字と言ったデザインがどんどん出てきた時には、なんとも言えない違和感が・・・

 

(例えば、南国の椰子のビーチのイラストに“北海道スタイル”って大きく書いてあったらビックリしませんか!?)

 

 でも、それも今は昔。東海岸の反対岸、西海岸にNEIPAの名醸造所がたくさんある時代になり、むしろ今の日本では、そちらの方が知られているかもしれない。そして世界でも、様々なブルアリーが「NEIPA」を造っている。私も、タイミングが合う時にはそれらを飲んでみたりする。

 

 先述のパリのNEIPAは、なんとも不思議な味だった。

 甘酸っぱい香りは、子供の頃の夏祭りを思い出すようなフレーバー。

 

 その後、スタッフと話をしていて、その訳が判った。

 

「実は、それ、ホップが入ってないビールなんだ」

「え?ホップが入ってないNE・・・IPA?」

 

 ホップを大量に入れたことから始まったと言われるビアスタイルのビールに、ホップが入ってないって、そんなことあるの?!

 

 ・・・いや、目の前のビールがそうなのだ・・・

 

 おそらく割と有名なお話かと思うが、世界最古の食品に関する法律は「ビール純粋令」。 

 1516年にドイツで発令されたその文言は

 

「ビールは、麦芽(大麦)・ホップ・水・酵母のみを原料とする」

 

そしてその後、そこに酵母が加わったのだが・・・この法律が多分に影響しているはず、今、造られているビールで、ホップが入っていないものって、ほぼ無いに等しいのではないだろうか。

 

 でも、良く考えたら、このビール純粋令はその当時のドイツの歴史事情で造られたもの。当時「不純物を入れた粗悪なビールも造られていたから、それから人々を守るため」、そして「大麦麦芽を使わせ小麦・ライ麦を食料として確保」と言う、一石二鳥?な法令だったのだ。

 

 とはいえ、そのおかげで、世界中でファンも多い美味しいドイツビールが発展、またそれを参考にした、他のエリアの美味しいビールもたくさんあり・・・素晴らしい決めごとだったことには、間違いない。

 でも。その昔ホップが使われていなかったビールがあったのだから、今使ってないビールがあっても、おかしくない、かな・・・

 

 本やネットでビールで学ぶのも、勉強になる。

 ただそこに載っていないことも数多くある。それは地球を自分の足で歩いて、初めて知ることも多いんだと、まさに歩き回りながら、感じた今年前半だった。

 

 4月には、プライベートのビール旅にも出かけてみたのだが、その際、ジョージア(旧ソビエト連邦、グルジア)で出会った、スコットランド出身のシェフとの会話を思い出す。

 

「ジョージアって、ワインの生まれ故郷として世界で有名だよね?でもね。この国の、ある山の上の方に住んでた人達が、オリジナルのビールを歴代造って、飲んでたって話もあるって聞いたんだ」

「そうなんだ!面白いね!・・・もしかしたら、世界中に知られていないそんなビールやお酒もあるのかもしれないね」

「そうだよね」

 

 そして、以前アフリカはジンバブエのレストランで飲んだ「昔から伝わる部族ビール」のことも・・・黒いコップの底に、ちょっとだけ注がれていた、薄黒いような(コップの色?)薬草酒みたいな飲み物。不思議なビールだった。

 

 そう、ビールにはいろんな形がある。

 ならば、フランスのクラフトマン(職人)がオリジナリティを駆使して造った、ホップ無しのNEIPAが産まれたのも不思議では無いのかも・・・ここで、舞台をパリに戻す。

 

 ホッピーな街角パブの店内を良く見ると、そのカウンターの越しの棚には「へディートッパー」の空き缶が飾られていた。そう、ニューイングランドからやってきた、私も大好きな「元祖NEIPA」を、ビールを注いでくれた彼も味わっていたのだ。

 

「今飲んでもらってるNEは、オレンジ、アプリコット、マンゴーが入ってるんだよ」

「なるほど。それ感じたよ!」

 

そして・・・その次の一言がその日、私にとっては2回目の衝撃だった。

 

「そのビール、ホップは入ってないけど、でもね、かすかなフレーバーに、ホップの香りのような香りがしない?それが狙いなんだよね」

 

 ホップでフルーティな香りを表すビールは良くある。

 その逆を行く、フルーツでホップの香りを表すビール・・・そんな面白いものもあるのか。

 

 いや、私が知らないだけで・・・きっと、面白い取り組みをしているブルワーさんは世界にたくさんいるに違いない。

 

 最後に、舞台を日本に戻して・・・最近の出来事。

 ビール好きが集まってたとある店で、とあるブルアーさんが、他の方の質問に答えていた姿が印象的だった。

 

「〇〇さん、このビールはなんてスタイルなんですか?」

「しいて言うなら、〇〇かな。でもね、スタイルって評論したい人が、便宜上つけているものだよね。作り手は”美味しいビール”を造ろうって考えてて”このスタイルのビールを造ろう”なんて考えてない。まぁいろんな作り手がいるかもしれないけど、僕は、そうだよ」

 

 もちろん、基礎やら何やらを越えて、オリジナルビールを造れる方だからこそ、言えるセリフ。

 そして作り手の方でそう考えている人がいるならば・・・ひたすら「美味しいから飲む」「楽しいから飲む」に徹してる私で通してきて、それで良かったんだ。なんだかちょっと嬉しかった。

 

 とはいえ、ビールスタイルを学ぶのも楽しいのでは?

 ふと、今日そう思い・・・この徒然すぎるブログを書いている。

 

 実は数日前、東京・渋谷にて「白夜のビール会」(北欧・ロシア・カナダ等白夜の国で飲まれてるレアビールシェア会)というイベントを主催したのだが、参加者の中に6年前の私を思い出させてくれた方達がいた。クラフトビールをすごく好きになって、色々飲んでみたい!色々知りたい!って思ってたころの私を。

 

 その頃、ビールのスタイルなんて全然知らなかったから、少しずつ飲んで、「美味しい」って思ったビールのそのスタイルを又探して飲んで、そして又、違うスタイルも好きになっていった。でも何種類のビールを飲んだとか、これを飲んだ、あれも飲んだ、とハッキリとは覚えていない。

 

 日本でも、海外でも、初めてのビアパブに行けば、お店の方から聞かれる質問は決まっている。

「どんなビールのスタイルが好き?」

そしたら、こう答える。

「全部好き。なんでも飲みます」

 

 実際そう・・・嫌いなスタイルは無い。ニガテだったスタイルも、何かのきっかけでその”美味しいビール”に出会えたら、好きになっていく。子供のころ、嫌いだったウニを大人になってお寿司屋さんのカウンターで食べたら、大好きになってしまったように。

 

 そして、新しい味の体験が増えていく。

 

 とは言え、やはり知っておけば便利な「ビールスタイル」は、今現在なんと、100種類以上あるそう。そして、クラフトビール人気を牽引し続ける米国、そのブルアリー協会は、毎年「新スタイル」を加えていく。

 

 机に向かっての勉強が大の苦手な私にとっては、細かくスタイルをひとつひとつ覚えて・・・という作業は不可能。でも、興味を持ったことを掘り下げることを、久しぶりにしたい、今日。

 

 「美味しいビールの楽しみを多くの人と分かち合いたい」という気持ちは、おそらく、専門の方や専門家を目指してるクラフトビールファンの方たちとも共通してるはず。

 

 「こだわらないで楽しむ」気持ちは忘れずに、クラフトビールを応援している方達が作った「ビールスタイル」を少し、頭の片隅に置いてみよう・・・今年は少しだけ、ビアマニアの方のおしゃべりに楽しく加われるようになったら、さらに楽しいはず。

 

 自分の新しい「ビールスタイル」を今年後半スタートしよう。

 

 

★2014年、米国ニューイングランドのバーモント州に到着した日。

 深夜だったけど、どうしてもクラフトビールが気になって。。。

 飲みに行ってしまった、ホテル近くのパブの写真です↑生ビールキラキラ(笑)

★「1日1つビールの話」ってエッセイを、シリーズっぽく毎日書こうと思ってたのは一昨年?

 ひさしぶりなんだけど、なんとなくこの言葉好きだから、つけてみましたウインク