1日1つビールの話5☆
先日、初めて行ったビアパブに、なんとその翌日も出向いて飲んだ。店の名は、グッドビアファウセッツ。渋谷駅ハチ公口を出て10分もかからない、Bunkamuraやドンキホーテ近く、行きやすい場所にある。
階段を登ってガラス張りのドアを開けると、ほどよい灯りの店内で、前日と同じく、様々な国からもやってきたビール好きの色んな言葉が、日本語に混じって聞こえてくる。
私が一緒に出かけた飲み仲間は、友人J。アメリカはロサンゼルスから、初来日したクラフトビール好きだ。一昨日も彼一人で、そして昨日も私と、店に来てたJにとっては連続3日目・・・その気持ちは良く判る。東京滞在中の宿泊先がすぐ近くだから。そして「ビールとコミュニケーション好き」なら、通いたくなる雰囲気だから・・・私もそうだから。
Jと初めて会ったのは約1年半前。米国はロサンゼルスのクールなバーにて。
それは初めてロスの町中へ出かけた時のこと。飛行機の乗り換え時間をわざと長めに取った。6時間ほどハリウッドを観光してみよう、と思ったからだった・・・なのに。
「どこか、クラフトビールが飲める良い店がありますか?」
ユニオン駅の旅行案内所で、口をついて出たのは、いつものセリフ。しまった、と一瞬思ったが、見ていた資料から顔を上げたアフリカンアメリカンのおじさまが、私と目を合わせ
「隣駅のリトルトウキョウにたくさんあるよ。行けば判る」
と即答してくれたから・・・心は躍り、すぐに隣駅に向かった。そして、2軒目だったFar Bar(ファーバー)のカウンターで、隣席にたまたま座っていたのがJ。
その時、確か互いにスタウト(黒ビール)を飲んでおり、ビール話が一気に盛り上がり、行ってみたかった近所のエンジェル・シティ・ブリュアリー(醸造所兼ビアバー)に歩いてご一緒し、空港近くまで送ってもらった・・・からには、
「Jが来日したら、日本のビールのおもてなしをしなくちゃ」
と常々思っていた。
さて、話は東京の渋谷に戻る。グッドビアファウセッツには、ビアフェスで数回会ううち、いつしか友達になったYがスタッフとして働いており
「おー、今日も来たんすね!」
とピクルスを差し入れてくれた。
前日もフロアにいた、髭に特徴のあるヨーロピアンのスタッフも、私と目があった瞬間、歓迎の雰囲気を醸し出してくれた。
彼やJに勧められるままに、前日は「ストーン(アメリカの人気醸造所)」のレアだというIPA(インディアン・ペール・エール。苦みが特徴)を飲んだから、その日はまず、じっくりメニューを一枚ずつめくって、どんなビールがあるのかをチェックした。
・・・えっ?!・・・イスラエルの国マークがあり驚く。2年前、イスラエルを旅した時にクラフトビールを何本か購入して帰り、あまりに好みの味ばかりで驚いたのだが、日本でまさか樽生が飲めるなんて!でもその横に、ドイツの国マーク?
良く見ると、日本でクラフトビール好きには、最近知られる「クリュー・リパブリック(ドイツのクラフトビール)」のマークがドイツの国旗の上に。そして、へブライ語だから読めていなかったのだけど、馴染み深いイスラエルビール「ハーツル」の醸造所マークが、そのお隣に並んでいた。そう、その2社がタッグを組んで、作ったビール「X Steam Beer(エックススチームビア)」!・・・久しぶりにビールを見て興奮する。でも、念のためミニグラスでお試しをお願いした。ちょっと濁った金色のビール・・・うん、美味しい!
「パイントお願いします」
あまり量は沢山飲めないから、いつもサンプラーやミニグラス、ハーフパイント(半分の大きさ)しか注文しない私だけれど、これは特別だ。大きなグラスを受けとる。Jは自分のグラスを持ってタバコを吸いに、外の喫煙スペースに出ていったから、私は一人のんびりと、ちょっと懐かしくもある酵母の香りのビールを楽しんだ。
突然、お髭のスタッフさんがカウンター越しに、私に言った。
「ビールのプロフェッショナルの方ですよね?」
「・・・え?一般人です。」
「・・・いやいや、違うでしょ」
「確かに良く飲むけど・・・プロフェッショナルってどういうことですか?」
「ビールのお仕事、何かしてる人でしょう?ええと、レストランとか、お店とか?」
そうこうしてるうちに戻ってきたJは
「この人クラフトビールツアーとか企画してるよ」
「ほら!やっぱりそうだ」
私も、あ、そうか、とやっとそこでうなずいた・・・が、納得しきれない何かが残った・・・プロフェッショナルって、なんだろう?
NHKの「プロフェッショナルの流儀」というTV番組がある。
ごくたまにしか、放映時間に家にいないため、また元々TVをほとんど観ないため、ここ数年ご無沙汰だが、以前、ごくたまに観る機会があった。
素敵な番組だ。時間が進むにつれ、仕事に打ち込むその主人公の姿に心がじんわり熱くなる。テーマソングであるスガシカオさんの歌が、最後のクライマックスで流れ、それに又気持ちが揺さぶられる。そのタイミングで主人公が
「プロフェッショナルとは」
という問いに答える・・・その活躍を観た後に聞く、その定義はどれも納得できるものだ。
プロフェッショナルとは、その答えは、その分野でプロと自覚していなければ、すぐには出てこないものだろう。
とあるきっかけで、3年半前に、突然に飲み始めたクラフトビール。
まずはとにかく美味しくて。他にどんなビールがあるんだろうと好奇心がわいたから。出張先や旅先で、いろんなビールを発見したから。そしてクラフトビールを通して、色んな人との素敵な出会いがあったから・・・今に至る。
飲んだクラフトビールのことばかり、ウェブにアップしていたら「影響されて飲むようになったよ」と色々な友達からフェイスブックのメールが届く。インスタグラムでは、世界各国のビール好きからフォローされる。友達と出かける時も、いつもビールパブについ誘ってしまう・・・自然にしていることだけど、それらはかなり、クラフトビール界に貢献している行動かも。
でも、プロではないのに何故?私の中に何があるんだろう?好きだから、楽しいから、それで良かったのに、なぜ「それ以上」がやってくるんだろう・・・今までも時々心をよぎった疑問が、再び渋谷の夜、降ってきた。
実は今年、旅行会社に依頼されて2回企画したビールツアーは、残念ながら催行しなかった。勉強してみようと何冊か購入したビール本の内容は、読んでもなかなか頭に入らなかった。執筆を提案頂いたビール記事は、忙しさを言い訳に書き切ることができず中途半端・・・
それは、そういうタイミングだったからであり、考え方を改めれば、また行動できること。なのに、どうも動けず、勝手にクラフトビールへの片思いが失恋に変わったように感じていたのだ・・・そこに、思いがけない問いだった。
「プロフェッショナルですよね?」
もしかして・・・これは、何かから、私への、励ましのタイミングだろうか。
クラフトビール。この魅力的な飲み物とつきあい続ける限り、又、その世界の何かに関わる日が来るかもしれない・・・来るような気がする。それがどんなことなのか判らないけれど・・・そうだとしたら、次こそ「自分らしい何か」を活かせるように、まずは上を向かなくちゃ。
ビールグラスを覗くみたいに、じっと、自分の心の中を覗いていたら・・・濁ってた色のその奥に、ようやく今、何かが見えてきた。
〈後書き〉
※エッセイに出てくるビール写真も付け加えました(10/9)
ブログ更新、久しぶり・・・国内外にまとまった日程で出張等あると、更新が滞りがちです☆
インスタに、割とマメに旅・ビール写真アップしてるので、良かったら♪
mcayanee
https://www.instagram.com/mcayanee/
さて・・・「ビールエッセイ」シリーズと言いながら、この「No5」にして、初めてビールを飲んでる様子の描写を致しました・・・そう、こんな感じで飲んでいます。
特に今回の内容は、最近の出来事そのまんま。そして、これを書くことは、自分の心を見つめる作業でもありました。書いてて、気づけたことは、ほんとに良かった・・・やっぱり、ビールも、書くことも、どうやら大好きみたいです。
そんな独り言の、こちらの後書きまで、読んで下さってる方がいるならば・・・おつきあい頂き、本当に感謝しています。
このお話みたいに、何気なく好きで始めたことが、どつぼにハマってしまったことがある方・・・いらっしゃるでしょうか?そこから抜け出すのにどうしたら良いか、ハマってる時って、なかなか気づけない場合もあるかもしれません。
そのことは、仲良しや信頼できる人に話しても良く、そして自分の心に向き合って、次の希望に気づいて、自分を照らしてあげる必要があるんだと、素敵なビアバーでの素敵な経験のおかげで気づかせてもらいました・・・ありがたいことです♪
〈出てきたお店&ビールの紹介〉
まずお店の紹介。最初に友人J(アルファベットでなくても構わないんだけど・笑)を連れて行ったのは、両国の老舗ビアバー「ポパイ」。初めて東京に来るクラフトビール好きさんには、国籍問わず楽しんでもらえるかと。
★麦酒クラブポパイ http://www.lares.dti.ne.jp/~ppy/
実はJはこの話の翌日も通ってた(連続4日!)お話の舞台が以下。アクセスも良く、ワイワイした雰囲気がお好きな方に良さそう。私も又行きたい♪
★グッドビアファウセッツ http://shibuya.goodbeerfaucets.jp/
※どちらも人気店、電話で席の状況を聞き、予約して行くと良いかと。
ロスでも飲みに行きたいあなたに!良いバーです。ビール以外もいけてます。
★Far Bar http://www.farbarla.com/
大きくて楽しいブリューパブ!アメリカならではの雰囲気も味わえます♪
★Angel City Brewry http://angelcitybrewery.com/brewery/directions/
続いて、ビール&ブリュアリー。まずは「ストーン」。地元アメリカでも、日本・世界のクラフトビールファンにも、今、大大大人気。昨年頭に米国ステイ時、こちらのインペリアルスタウトという濃いビールにハマってました。まだ未体験、これから色々飲みたい、という方、ストーンがメニューにあったら、試してみても!
★Stone Brewing http://www.stonebrewing.com/
続いて「クリュー・リパブリック」。一昨年から、日本にも輸入されている独クラフトビール。そもそもドイツビールは5000種以上あり、美味しいものが多いことは有名。なお昨年ドイツに出向いた際、普通の酒店と間違えて、問屋さんに買い物に行ってしまったのですが・・・
「わぁ、ドイツのクラフトビールも結構置いてありますね!」
と喜ぶ私に店長は
「違うよ、これは海外ビールだよ」
って何度も言った程、クラフトビールはドイツのおじさま方には、浸透していませんでした。今は少し変わったかな・・・本格ビールの国のクラフトビール、もちろん美味しい、と思います。
★Crew Republic http://www.crewrepublic.de/home.html
やっと読み方が判った「ハーツル」。2年ほど前、イスラエルに出かけ、食事したカフェにずらっと並んでたビアボトル・・・めちゃめちゃ可愛い!それが出会い。その後もう一回行く機会に恵まれ、購入したイスラエルクラフトは20種類程。どれもバランスが良く、好みで、うなった記憶・・・そもそも、食事も味付けが絶妙かと。飲み物もか、と納得。でも、ラベル表記はヘブライ語で解読不可・・・なお、今グッドビアファウセッツのビアマネージャーさんがイスラエル出身という記事を発見、だからお店に入ってたのかな。Facebookのみのウェブ情報らしい。
★Herzl Beer https://www.facebook.com/herzlbeer/?fref=ts (ヘブライ語オンリー)
このお店やビールで、エッセイひとつ書けそう・・・と気づきつつ、そろそろPCをオフにします。読んでいただいた方のお役に、少しでもこのブログが役立ちますよう、祈りつつ♪
