もしもし、聞こえますか、見えますか。

こちらは、視覚障害と聴覚障害を併せ持つ、「盲ろう者」の私(彩菜)の、お粗末な随筆もどき。

たぶん、なんの気づきも得られないと思うが、よければゆるりとどうぞ。


今、なんやかんやあって、ホテルで生活している。

アパホテルね、1泊500円しないんよ、なんかのスーパー強いクーポンらしい。(私にはよくわからないが)


母と一緒なせいか、飯だけは美味いんよ

どえらい美味しい串焼き屋とか、キッチンかーの唐揚げとか、幸楽苑?っていうラーメン屋とか。

ホテルの中のレストランのパスタとか。

ぎゅっと美味しい。


いいことはそれだけだけどね。

もう、「へいへいほー」とか言ってられなくなってきた。


ベッドはダブルだし、シャンプーとかタオルが私的に気に入らないし、何よりずっと母と一緒。(やってられん)


水曜日の夜からだけども、最初の夜は、マジで眠るのに苦労した。


内心ブチギレていたこともあってか、母と同じベットで寝るのが許せなかったので、枕だけ確保して3時ぐらいまで椅子に座って眠気の到来を待っていた。

ミステリー小説を聴きながら、床に横になり、腹にバスタオルをかけ夢への道のりを辿っていた。(かなり長いこと)

時計を見たら4時過ぎで、ようやくまどろんできたなと思い意識が飛んでいく…

途端に、がしっと肩を掴まれて、寝ぼけた母が「なんで床で寝とんや」と、叩き起こしやがった。

時計を見れば4時半過ぎ、つまり20分程で眠りから覚めてしまったことに。(このクソボケナス)

だからね、2時間眠れたかどうか怪しかった。


枕は床でもいいけど布団はダメという謎理論により、母がよこしてくる掛け布団を拒否りまくったりしていた記憶がある。


そんなこんなで、寝不足だったけど、その後授業行って、寮の自室に荷物とか取りに行ってみたら、自分の布団やらあらゆるものが恋しくなった。

洗面用具とか、冷蔵庫の淹れたジャスミンティとか、マグカップとか、ぞれら全部。


私は、こんなにも日常生活を愛してんだなと愕然とした。

自分のシャンプーで髪を洗い、自分の選んだバスタオルで水気を拭って、使い慣れたドライヤーで髪の毛を乾かし、コロコロで掃除して冷たいお茶を注いで喉に流し込む。


部屋の奥の調整に調整を重ねたベッドに、足を伸ばして座る。

二頭身の虎猫のぬいぐるみに背を預け、壁にもたれかかりスピーカーで音楽を流して、体から力を抜く。

幸福感を噛み締め、あとはこれが続けばいい。


私に必要なものは、自室とスマホと音楽と本に画材にインターネット、それと調理器具とティーセット。

これだけあれば、それだけでいい。


今は、ホテルのベッドの上だけど、まぁいいでしょう。

呪縛から解放されたならば、このぐらいのささやかで切実な願い、叶えてもらわないとね。


今日は夕方になったらマッサージを受けに行き、夕飯を食べる。

明日はフルートを吹きにカラオケ行くかな、おそらく。


それじゃ、あなたもあなたの今日を過ごして、いい日だったと思えますように。

ごきげんよう。