なぜか、自分の大学の学園祭には見向きもしなかったというのに、よその大学の学園祭には、奇妙なことに足を向けていた。

誘われたので仕方がないが、人混みに自分から行くなど我ながら驚嘆するしかない。

が、敷地面積がバカデカいせいで、人口密度は言うほど高くもなかった。

押し合い部試合だったらどうしようかと思ったけど、ホッ!!


私は「盲ろう者」だ。

故に、楽しめる催しは限られる。


「手話カフェ」という、手話でコミュニケーションすることを楽しむカフェだとか、というかここが本日の目玉だった。


私を含め3人でうろうろし、喋って食って飲んで、馬と触れ合って、訳も分からずボートなど漕がされ、コミュ障だと言うのにめちゃくちゃ、人と話さねばならんし、まぁ楽しかったんだけどもね。



わけがわからんことは、いろいろあったのだが、

紙コップから爪楊枝1本で、焼きそばを食う羽目になる日が来ようとは、思いもよらなかった。

「手で食べるよりマジだろ」じゃねぇよ。

横でフツーに割り箸で焼きそば食ってるそいつが憎みきれん、ちきしょう。

それは、私流の「大切な人」ランクに入る人だからなのである、本日のメンツはそいうもんで、誘いに応じたのもそれが理由。


誘われれば嫌でも仕方なく、応じるし、

話しかけられたり、質問を投げられれば答えるし、誰に対しても基本そういう生き方だしな、私は。


それでである、手話やら指点字というものは、改めていいもんだなと思う。

特に後者は知名度がアホみたいに低いのだけど、指先で会話が成り立つこと、それに対して言いようもない特別感を感じた。


私は手話が見えないから、触って手話を読み取る「触手話」で、会話することになる。

指点字も、それに属して、触覚だけで会話ができる。

それって、すごく美しいことだなと思う。

広まって欲しいようでいて、あまり広まって欲しくないそんな美しさがある。


でも、これらには欠点がある。

人間は、声のトーン、スピード、そして、方言や言い回しなどをひっくるめて、会話している。

接触することで伝わってくるものがあるけど、「声」での会話には劣るのかもしれない。

まぁ、わからんけども、職種話よりは指点字のほうが、簡単に思うがまま思いを伝えられるのではないだろうか。


難しい話をして申し訳ない、あんまり気にせず。

とにかく、楽しい1日でした。


……一体なにが言いたかったんだ、私は?