こんばんは。

彩菜です。


視覚障害と、聴覚障害を、併せ持つ[盲ろう者]の私の、
書き散らしてく随筆もどき。
ゆったりとよんでね。



チン、すると不味くなるものがある。
それはオレンジジュースである。

大昔、自販機であったかいオレンジジュースが売られていた。

おそらく、表記ミスだろうけど、それを十八になっても覚えていた私は、とうとうチンしてしまった。

すると、なんということでしょう。
臭いはひどいし、味も悪い。
悪い意味で、果汁100%の苦味が濃縮されてしまった。
体は温まったが、気分は冷え切って、口の中は渋い。

もう2度とやらんだろう。

んで、いつぞや母が、一人暮らし気分の私の部屋に、訪ねてきた時のことである。
レンチンパスタ容器を掲げて、「パスタってなかなか美味いね」と言っていた私はふと、こう言った。
「でもさ、なんか芯が残るみたいで硬いんだよね」

「それってどうよ?」みたいな空気が広がる。
母はパスタ容器を私から奪って、あーだこーだ言い出す。
容器の線のとこまで、外側に触ってわかる線があって、左から4分ぐらい用意、7分ぐらい用、9分ぐらい用、1人ぶん、2人分と、線がある。
ここで私は「おや?」と訝る。
なぜなら、いつも3分しかチンしていなかったからである。

「最近使ってるパスタなんだけどさ」
と言いながら、1キロ250円もしないやっすいパスタの袋を差し出す。
それをみた母は、「あんた、それ9分茹でやん」と……


ポク

ポク

ポク

チーン。