こんばんは。


彩菜です。



視覚障害と、聴覚障害を、併せ持つ[盲ろう者]の私の、

書き散らしてく随筆もどき。

ゆったりとよんでね。



日当たりの悪い廊下を抜けて、帰路に足を踏み出す。

昼間の日は高く、そして暑い、みたいだ。

しっかりと感じなければ、私は暑いことに気づかない。


しばし、日光に意識をやる。

チラリと目をやっていると、とんでもなく美しいものを見ている気になってくる。

そのことに、ボーゼンとして足は進まずにいた。


カラスの声がすると、ハッとして現実感が帰ってきた。

今日は少し、鳴き声のテンポが早い。

昨日は、ゆったりと穏やかな声だった。

我に帰った私は、また歩き始める。


歩調は本当にのんびりしている。

だからこそ、ゆるゆるとした風はそこまで、熱を帯びていないことに気がつく。

それでも、かなり髪量の多いゆえに、微風程度では揺るがない私の髪の毛が、なんだか心地よくさらさらっと弄ばれちゃってる。

穏やかな風であった。


道を渡る時、突然今日は七夕だと思い出す。

ああ、そっか、7日かぁ。

せっかく思い出したし、何か願い事でも1つ…


「ぼーーーっとしていたい」

これしか出てこない、1人で笑う。

そりゃないだろと、そんな風な苦笑いをこぼしてアイスを齧る。


気がつけば夜になってた。

そして、まともな願い事が見つかった。


「彼らが、明日の大会で成功を残せますように」

「ここ3日ほどは、誰もが満足できる日々でありますように」


ぼーーーっとすることなんて、誰に願わずとも実現させられるんだから、別にいいや。

壁に枕を立てかけて、背を預けて上を向く。

目を閉じて、自分を見つめた。

ああ、肩凝ってやがる。


どうかどうか、明日が来てくれるといい。

では、善い夢を。


七夕の願い事2023

 

 

 

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