久しぶりに(50年ぶりか)徳川美術館に行ってきました。
目的は秋季特別展「人間讃歌―江戸の風俗画―」を観るため。
岩佐又兵衛「洛中洛外図屏風」(舟木本)、風俗図(彦根屏風)、歌舞伎図巻など国宝、重文がずらり。
なかでも久隅守景の「納涼図」(国宝)を観るのが私の主たる目的です。
しあわせとは何か。
と、人に問われれば私は躊躇することなく久隅守景(くすみもりかげ)描くところの「納涼図」であると答えるでしょう。
夏の夕べか。
陽はすでに西に傾いています。
夕顔の蔦が絡みつく棚の下に蓆を敷いて涼んでいる3人の人物。
中年の男女は夫婦でしょうか。
男は寝そべって頬杖をついています。
女は上半身を肌脱ぎして膝を崩しています。
ふたりの間にはその子供でしょうか。
3~4歳の男の子(のようだ)が顔をのぞかせて親と同じ方向を見つめています。
ただそれだけの画です。
なんにもない。
あるのは、しあわせに満ちた世界のみ。
そのしあわせに私も浸りたかった。
ところが・・・だ。
おお!
ガッデム!!
なんとゆうこと!!!
納涼図が展示してあったのは前期のみですでに展示品は引き払われておったのです。
くうぅぅ。
かつて上野のトーハクで観た傑作を名古屋で観る僥倖に恵まれたのかと喜んでいたのに。
ザ・ン・ネ・ン。
でも、上野で観る機会はそのうちやってくるだろう。
そンときに上京しよう。
みなさま。
機会あらば「納涼図」をご覧になってみてはいかがでしょう。
しあわせに浸れますよ。