雨が大っ嫌いで、雨が好きだとか言ってるやつも嫌いだった。
今年の梅雨は長い気がする。
あーたぶんこの芝居やるからだろうな。
でも、この作品書いて良かった。
こんなひどい雨でも受け入れられてる自分がいる。
わたしの遠い記憶の中で、子供の頃、
雨の中、裸足のまま家を追い出されたことがあった。
家から放り出されるのは、けっこう日常茶飯事で。
だんだん慣れてきて、隣や下の家の人を訪ねて助けを求めたりして、悪知恵がついた。
自分の性格が歪んでしまっても、
他の人とは大きく違う道を歩いてても、
心のどこかで、本当は自分のせいじゃないと言い続けてきた人生だった。
でも、それは違う。
自分を作り出すのはいつだって自分だから。
誰のせいにもできない。
自分の生き方は自分で決めなきゃならない。
この芝居をやってるとつくづく思う。
昔は、何か壁にぶち当たっても、避けてきた。
簡単にあきらめてきた。
どうせ、わたしなんかなにもできないと。
自分の限界なんかたかが知れてる。
死んだように生きていく。
だけど、わたしが死にたいって思ったときこそ、ほんとは生きたいときなんだ。
自分の弱さに負けたくないって、思ってる。
みんな、そうなんじゃないかな。
永遠に終わらない哲学のような問いをずっと繰り返して。
一人が好きで、一人になりたくて、一人って大変で。
孤独は辛くて。
この「ねずみの亡骸を抱いた猫」が、
形になったらきっと、そう思うこともなくなるのかな。
そうだといい。
芝居に会えて良かった。
わたしがそうだったように、この芝居が誰かの救いになれたらいい。
いつも希望は、絶望のなかにあるんだ。
それがわかってるから、前より少しは賢くなったかな。
フェルフェン2nd performance
「ねずみの亡骸を抱いた猫」
7/23(火)~7/28(日)@ひつじ座