人生は比べることができないものだと,ぼくは考えている。それでも,自分とは全く住む世界が異なる人と出会った場合,そうは思っているけれどという人もいると思った。スピリチュアルとかそういうのは考えずに書くね。

 

 ある漫画を読んで考えたこと思ったことがあったから書く。

 生まれた時から,環境や家庭って違う。それで,お母さんにやさしくされて育った人,虐待を受けて育った人,自分を売り物にしなければならない人,裏の世界に行く必要があった人,きょうだい喧嘩が絶えなかった人,好きなもの何でも買ってもらえた人,もう切りがないね。本っ当に様々な人がいる。そして,まったく異なる環境,例えば苦しんで生き抜いてきた人と,大切にされて生きてきた人,が出会ったとする。加えて,例えばぼくが,大切にされて生きてきた人。その場合さ,苦しんで生き抜いてきた人の気持ちを,わかろうと思っても,わかることができない。確かに人生は比べられなくて,苦しい思いをぼくもしてきた。でもその苦しいことのジャンルが全く違う。漫画では,苦しんで生き抜いてきた人が,助けを求めていた。でももしもぼくが,そこに立ち会った場合,なんて声をかければ助けることができるか,わからない。人生だけじゃなく,まったく違うことで悩んでいる人と出会ったときも,同じことがいえると思う。何とかしたいのに,大事な人なのに,考えていることとか,今までのこととか,違いすぎる。何とかしたいのにどうすればいいのかわからないっていう苦しみが,すごく大きいと思った。本当に苦しんでいる人と出会ったとき,僕はどうすればいいのかな。君とは住む世界が違うって,僕の苦しみなんてわからないでしょって,言われたとき,ぼくは何か言えるのかな。

 

 今,君の苦しみを受け止めたいのに,どうすればそれが,君に伝わるのかがわからない。自分が悔しい。何を言ってもきれいごとにしかならないんじゃないか,だって君の苦しみを,味わったことがないからって。それぞれの人生を生きてきてさ,まったく異なる苦しみを今現在も味わっている人と出会った,というとき。ぼくは何て言うかな。何ができるかな。好きでこんな苦しみを味わってるわけじゃないのにって,そういう人に,ぼくは何ができるんだろう。君のことをわかりたいんだ,だって大切だから!って言う。でもそのぼくのわがままをさ,受け止めてもらえんのかな。だって君,恵まれているからそういうことがいえるのさって,心を開いてもらえないんじゃないかな。それとも僕の本気が伝われば,心を開いてもらえるのかな。その場に立ち会うかどうかもわからないから,杞憂かもしれない。それでも考えてしまった。自分の気持ちが相手に伝わらない,わかることができないっていう苦しさ。