離婚の1年前に、新築の家を建てたところでした。子供たちはそれぞれ6畳の部屋におもちゃいっぱい。小さくて自分の部屋を使う事は殆どなかったですが。
離婚したあとは、家賃5万円円代の、古いけれど清潔感のあるアパートに住んでいました。子供たちは、2人で6畳ひとつ。ベッドの下に机のある家具を2つ詰め込み、まるで要塞か、宿舎か、基地か。
それでも「自分の空間」をあげたかったのです。そしたら、そんな部屋になってしまいました。
4年間の学生生活を終えて働き出して1年が経った頃。
看護師さんのシングルマザー(子供の年齢が上も下も同じ)が、中古の一戸建てを購入しました。
お値段、1600万円。
中古ですが、綺麗な可愛らしいおうちです。小さめですが、子供たちと3人で暮らすには充分。
彼女は、「自分が頑張った証を残したかったの」と言っていました。
シングルマザーでも家を持てるのか。
私も、子供たちから取り上げてしまった「自分の部屋」をまた持たせてあげたい。
実は、私は無類の家好き。(そんな言葉があるか分からないけど)
モデルハウスを見て回ることがとてもとても好きでした。
そうして、自分の欲しい家をイメージすることも何十回、何百回と繰り返していたように思います。
土地も、子供たちと休日に手を繋いで散歩をしながら、「ここ、いいねぇ。ここ、売りに出たりしないかなぁ」なんて。
買えるはずもないのに、空想して遊んでいました。
なので。
「家を買う?」と頭によぎってからは、怒涛のように動き出しました。
まず頭にあったのは、シングルマザーの友人が購入した家の1600万という価格。
その価格なら、私でもいけるのかな?という漠然とした、ただの勘です。彼女が出来るなら私もできるかな?っていうだけの。
そして、その価格で探してみると、無い。
好きな感じの家は無い。
その空間で生活していることをイメージできない。
で、探し出したのは中古マンション。
営業マンが付くので、決心もつかないうちにどんどん話が進む進む。
あっという間にローン審査をすることに。
いくらなら家を購入可能なのか知りたかったので、黙って流されるままに話にのりました。
すると。
ローンはあっさり通ったのです。たしか「フラット35」での審査でした。
しかも、設定された金利の中で最低金利。
働き出してまだ1年目。解せぬ。
あっさり審査が通るとは正直思っていなかったので「何故通ったのですか?」と変な質問をしました。
その時は「4年かけて資格を取られた計画性が評価されたんだと思います」と言われました。
でも、あとから考えたら、そんなことあるのかなぁという感じです。
今になって思い当たるのは、私の計画性とかじゃなく、私の勤め先が、「潰れにくい職場」であることが大きいかもしれません。そして、私が、「理学療法士という資格保持者」になったこと。
1600万円の中古マンションは、お断りしました。
そして、2600万円くらいまではローンが組める事がわかったのです。
ある意味、家を建てるのは2回目。
軽い知識はありました。
何より大切に思ったのは、家のローンは、私が死んだら消えること。
常に思っていたのは、私が死んでしまったら子供たちはどうなるのだろうという恐怖でした。
家を買うことは、私にもしもの事があった時、子供たちの住む場所、(売ればお金にもなる)を残す、大きな大きな生命保険のようなもの。
そして頭の中には欲しい家のイメージは焼き付いています。
やるしかない気持ちになっていました。
税金で助けられた私が、税金を払う立場になり、家を買うこと、それは強い目標になっていました。
数少ない誤算(後悔)のひとつ。
家を建てる時に「冷凍庫」を置くことを想定しておけば良かった。
働く母には、「容量の大きい冷凍庫」は必須です。

