犯罪で子供を奪われたお母さん、お父さん。

あの日のことを覚えていますか。

忘れるわけないですよね。

 

そうであるなら、忘れられないあの日のことを

思い出しますか。

思い出さないようにしていますか。

 

もうすぐ、あの日が巡ってきます。

5月31日。

9年前のことでした。

 

今日は5月17日。

9年前の当時、私が付けていた日記を読み返しています。

 

娘は大学時代の友人の結婚式に呼ばれて

徳島まで日帰りで行き、夜遅く帰ってきました。

これで、仲良し3人組はみんな結婚したんだね。

おめでとう、と書いてあります。

これからも友情は続いていくよ、と。

私は美容院に行って髪を切ってさっぱりし

お昼寝を2時間もしてしまったと書いてあります。

そして、パパもおばあちゃんもみんな元気。

それが何より。ずーっとこんな日が続きますようにと、書いてあります。

 

要するに、幸せで平穏な日々を送っていました。

 

この日から2週間後に娘に起こることなど、誰にもわからないことでした。

 

あの日から9年も過ぎましたが、今年はとても気分が落ちています。

娘のいない日々は何かの間違いで、こんなおかしなことが起こっているのは

なぜなんだろう、と振り出しに戻って考えてしまいます。

 

なにをしても、誰といても、満たされることはないと

何度も実感しながら、9年間を過ごしてきたのに、

いまもこんなに寂しい自分を慰めてくれるものは、

やっぱり、なにもないのです。

 

朝から、涙が流れます。

 

 

けれど、そんな自分を立て直して

今日を生きていかないと、しかたがない。

無理やりにでも気分を上げて、どこか

逃げ道を探しながら、やり過ごしているうちに

今日と言う日が終わるでしょう。

 

止まらない時間のおかげで

あの日も通り過ぎていきますから

私の寂しさもいつかはなくなりますから。