土曜日。
さくらちゃんを病院に連れて行く途中、家に立ち寄った。

取り壊しって、早いなぁ…としみじみ。
すっかり二階部分や南の窓類もなくなって、あと少しである。

本当にちょっとづつ削っていくので、壁が薄っぺらく残っているのが不思議な感じ。
私が子供の頃は分別が厳しくなかったので、一気に家を倒して壊していたらしい。
建て替えを経験した祖母はその光景を
「すごい迫力じゃった!涙が出たわ…」(今思い出すとやはり祖母も泣いた)
と言っていた。
私は小学校だったので「ええなぁ、そんな迫力ある光景を見たかった…。」と思ったのを覚えている。
思い出の生家なのに室内の写真はほとんどなく、細かい所はすでに思い出せない。

この袋類に分別ごみが入れられていくのだろうか。
大きな家を倒すのに、実にち密な作業…。

手すりはないけど、階段はある。
階段はまとめて回収して分別を楽にするのかな?
さくらちゃんの齧ったところをのこぎりで落とした箇所が良く見える。
作業員の方々、不思議だっただろうな…。
手すりやら階段やらなくなってて、おまけに玄関スイッチまで…さぞ変な家人だと思われたことだろう。

床下のコンクリも実に立派。
こんな重たいものは砕いて搬出するのだろうか。
時間があればずっと観察していたいくらいである。

さて、この日はさくらちゃんの混合ワクチンの接種日。
前回 狂犬病の予防接種で少しだけ痛い思いをしているのでガクブルである。
安定の怯えっぷりに「今日も元気だ」と確信する。

そしてそのガクブルがすぐに遷る単純な私。
怖くて病院に入れず、怖がるさくらちゃんを抱っこできず…伴侶に任せて車内から観察することに。
何故車内からは見られてもそばに行けないのかと言うと、注射も苦手だが、大きな音も苦手らしい。
いきなりさくらちゃんに「きゃん」と鳴かれると心臓が飛び出すほどびっくりしてしまうのだ。

注射では鳴かなかったさくらちゃん。
廊下で待つ伴侶を恨めし気に見ている。
そのあとの爪切りで少し鳴いたらしい。
普段から家で爪切りをしているのでそんなに血が出たりはしなかったようだが、ぎりぎりを責めてカットしてくれたらしい。
これでまた病院が苦手になったことだろう…。
私に似て臆病な犬なのである。