再生医療とは、病気やケガで失われた体の機能の再生をはかる医療です。これまでの治療法では治すことができなかったケガや病気を再生医療によって回復できる可能性があります。また、再生医療の技術は様々な研究に利用され、難病の原因解明や薬の開発も進められています。
そういった研究の中から生まれた製品の一つに「再生医療等製品」があり、従来の医薬品では難しかった病気の治療への実用化が期待されています。再生医療等製品は、生きた細胞や組織を加工(培養、活性化、分化誘導等)して作成され、細胞を用いて疾患を治療する細胞治療とDNAやmRNAなどの遺伝子を用いて疾患を治療する遺伝子治療があります。

現在、国内で承認された再生医療等製品 は現段階で約20製品あり、実際の治療の際は保険適用となります
再生医療にかかわる法律には2つの法律があり、 再生医療等製品は医薬品医療機器等法に基づき 審査承認されます。

再生医療に係る法律

 

・再生医療等安全性確保法・・・民間のクリニックや大学などの臨床研究で行う再生医療はこの法律に基づいて行われます。先進医療、自由診療は医療費全額自己負担になります。 当院で行っております線維芽細胞移植脂肪由来幹細胞移植、PRP療法についてはこちらに該当します。

 

・医薬品医療機器等法・・・企業が再生医療等製品として提供を目指す場合は医薬品医療器等法に基づき、治験を行う必要があります。治験を経て、薬事承認されれば保険診療として患者さんは 医療を受けることができます。製薬企業やベンチャー企業などは、再生医療等製品の治験を行い、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請します。PMDAが審査を行い、最終的に厚生労働大臣から承認を得ます。その後、保険適用されて実用化されます。

 

再生医療における自由診療と保険診療の違い

 

自由診療においては治療の有効性と安全性は基本的には施設管理者の主観的評価に基づくものですが、保険診療においては治験を経て、PMDAなどの機関や医師などの第3者による客観的評価に基づくものです。

次回以降でどのような再生医療等製品があるかについて解説します。