【アトピーの戦略的治し方】”治りの悪い部位”が完治へのヒントです | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘

 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の 山本綾子です。

 

今日は、

下記のブログ(↓)の終わりの方で書かれている、

「ステロイドを使う理由の1つは、

患者さんの”本当に問題のある部位”を

見つけるため」

という点について、

もう少し詳しくお話してゆきましょう。

全身の湿疹が酷い場合、

あちこちが酷すぎて、

「この部位が最も原因」と指摘するのが

かなり難しくなります。(勿論、経験上、

だいたいここかなというのはありますが)

 

その場合は、ステロイドを使って、

ある程度、全体の湿疹を落ち着けてしまうと、

「その方がアトピーとなった

最も根本的な身体的原因」

見やすくなります。

 

もう少し、分かりやすく説明しましょう。

ステロイドを使っていっても、

「治りが悪い部位」があったとします。

 

それが、

「デコルテ」であった場合は、

「呼吸が浅すぎて胸郭が開いていない」

ことを示しています。

 

また、治りの悪い部位が「顔、首」であった場合は、

「下半身の血流の悪さ」と

「首の使い方の悪さ」が見えてきます。

 

治りの悪い部位が「肘」や「手」であった場合は、

「肩の位置の問題」

つまり「呼吸が浅すぎて肩が巻いている」ことが

見えてきます。

 

このように、「治りの悪い部位」は、

あなたがアトピーを完治させる上で、

治すべき「身体の使い方の問題点」を

教えてくれるのです。

 

では、全身の湿疹が酷い場合は、

全く何もわからないかといえば、

実はそうでもありません。

 

「全身のあちこちが酷い場合」は、

「立ち位置が安定していない」ことを示しています。

 

インナーマッスルがあまりに不足している場合、

足元がぐらつき、立ったり歩いたりするときに、

重心がぶれ続けます。(歩いているときなどは

非常にわかりやすいでしょう。)

このような場合は、ある一箇所が酷いというよりは、

「全身のあちこちに湿疹がある」パターンが

多いです。

 

つまり、「身体の使い方の基本中の基本」である、

「正しい立ち方」ができるような「基礎筋力作り」

必要となることを示しています。

 

このような理由で、

私の診察では、

「一番、治りの悪いところ、困っているところはどこですか?」

とたいてい聞かれるのです。

 

質問の答えに対して、

「薬を処方する」以外に対処方法を教えてあげられるのは、

「アトピー発症機序理論」によって「部位別アドバイス」が

できるから。

 

できるだけ最短距離で治すために、

「身体の根本的な問題点を探ること」

これが大切なのです。