【アトピー完治への道・スタート以前シリーズ②】ステロイドの"効かせる”ための塗り方とは? | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の山本綾子です。

 

***【山本綾子の診察をご希望の方へ】***

診察を受ける際の、大切な注意点が書かれています。

貴重な診察時間を無駄にしないために、一読をお願いします。

https://ameblo.jp/ayakoder/entry-12416124634.html

 

前回は、

「アトピー完治への道」の「スタート地点」に立つための

ステロイドの正しい塗り分け

についてお話しました。

 

診察で診ていると、

「体はこれ1種類でした」という

患者さんが本当に多いです。

でも、たった1種だけでこんなに広い範囲の身体の

さまざまな症状に対応できるとは思えませんね。

 

症状に合わせて塗り分ける

これは、しっかり効果を出して、副作用を減らすための

基本中の基本です。

まずは、「触ってざらざら具合で塗り分ける

ということを忘れないでくださいね。

(上の写真では、首や肩にザラザラいたところがありますので、

そこには強めのステロイド、その周辺はカサついていれば弱め、

しっとりであれば保湿ということになります)

 

さて、今日は、

「アトピー完治への道」の「スタート以前」シリーズ(!)

第2弾、

ステロイドの塗り方によって効果が全く違う

ことを学びましょう。

 

皮膚に乗せる量」が重要です。

 

飲み薬は、飲むだけですから、

飲み方によって効果が変わるということはありません。

(よほど飲みこぼしたとか、指示された飲み方を間違えない限り)

 

しかし、軟膏は、

「患者さんが塗る」ため、

その塗り方によって、雲泥の差と言ってもいいほど

効果が変わってしまいます。

 

ベトっとするくらい十分量」が必要です。

ティッシュがつきそうなくらい、というとわかりやすいでしょうか?

薄すぎると、効果がありません。

 

また、薬を皮膚につけるときも、

湿疹のある部位に薬を乗せてから伸ばす

ということがポイントです。

 

ここに冗談みたいな本当の話があります。

一生懸命お子さんの肌に塗ったのに治り悪いというお母さん。

「あれ、おかしいな?」と思って、

「では、いつものように塗って見せてください」と言うと、

なんと、そのお母さんは、

”自分の手のひらに軟膏をつけてから”

子供さんの皮膚をこすっていました。

 

コレ、どこがおかしいか、わかりますか?

お母さんは、自分の手がベトベトなので、

てっきりお子さんの皮膚にしっかり軟膏がついていると

”思い込んで”いました。

でも、実際は、

お母さんの手ばかりに軟膏がついて、お子さんの皮膚には

ほとんどついていないのです!

 

そう、「湿疹部位に軟膏を乗せてから」。

これが大切なのですね!

 

これは、他の人にぬるときだけではありません。

自分の肌につけるときも、

”手がベトベトしているから”といって、

湿疹部位に軟膏を乗せることなく、その手で湿疹部位に

”軟膏をつけたつもり”になっていませんか?

このやり方では、軟膏をつけるどころか、

ただ単に皮膚をこすって悪化させている」のと同じですよ。

ご注意くださいね。

 

もう一つ、

軟膏を塗るときのポイントとして、

5cm2ほどしか軟膏は伸びない

というのが、あります。

身体の範囲が広いと、1箇所に軟膏を大量に乗せて、

10cmほど、びやーっと伸ばす方がいらっしゃるのですが、

この塗り方だと、

軟膏を乗せた部位はべとべとですが、

伸ばした最後のほうは、ほとんどついていない、

と言ってもよいでしょう。

 

それを避けるために、

5cm2に1箇所くらいに、「小分けに軟膏を乗せてから

軟膏を伸ばしてください。

しっかり、どの部位も均等についていることが重要ですから。

 

今日は、「軟膏の効かせるための塗り方」について

お話しました。

 

しっかり復習して、アトピー完治まで最短距離で進んでくださいね!

◆◆◆ステロイドの正しい使い方については◆◆◆

日経トレンデイネットの私の記事、

『治らない?ステロイドは怖い?アトピー性皮膚炎と治療【前編】』

https://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120622/1041619/

『薬でガン発症?根治できない?アトピー性皮膚炎と治療【後編】』

https://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120719/1042025/

をお読みくださいね。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆