当院スタジオにて、アトピーのためのワークショップが開催されました | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の山本綾子です。

 

今日は、当院内にあるスタジオにて、

アトピーのためのワークショップが開催されました。

 

実は、当院には、皮膚科クリニックとしては珍しい、「鏡張りのスタジオ」があります。

このスタジオでは、身体の使い方を学んだり、湿疹を治すための

「部位別の運動療法」を学んだりします。

スタジオ長や運動療法専門スタッフが在籍し、アトピーのための

ワークショップ(グループレッスン)や運動療法のパーソナルレッスン

を行っています。

 

今日開催された、ワークショップでは、「身体の使い方の基礎」を

みっちり2時間半学びます。運動療法の中でも、基本中の基本となる

ものです。例えば、掛け算を習う時、まず、九九を学ばないと始まらないように、アトピーの運動療法のベースとなるものです。

 

いくら応用問題をやっても、基礎がしっかり理解されていないと、

間違えが多くなるように、アトピーの運動療法でも、基礎の身体の使い方が出来ていないと、ちょっとしたことで症状が悪化します。(風邪をひいたとか、ちょっと忙しかったとか)

 

この症状の変化を私は診察で「症状に波がある」と表現しますが、

基礎ができていると、この波の振れ幅が小さく、基礎ができていないと、振れ幅が非常に大きくなります。振れ幅が大きすぎると、調子のいいときは楽ですが、悪化したときは、まともな社会生活ができなくなります。(仕事に行くことができなかったり、行けたとしても集中できなかったり)

 

今日の参加者さんの中には、身体を酷使する仕事で「コリのある部位ばかりに湿疹が出る」と気づいていたため、私の「アトピー発症機序理論」が身体の感覚として納得できたため来ました、という方もいらっしゃいました。(詳しくは、日経トレンディネットでの私の連載、『皮膚科専門医 山本綾子の解決!オトナの皮膚病・肌トラブル』https://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140121/1054660/をご覧下さい)

どの参加者さんも、積極的に身体を動かし、今日学んだすべてを

全部習得するぞ、という気合で頑張ってくださいました。

 

ワークショップで学んだことは、一度聞くだけでなく、毎日、短時間でよいので継続することが大切です。一つ一つの動きは1分もあれば十分できてしまうほどのものですが、それをできるだけ細切れでよいので、

1日何回も行うことが完治への近道。どんなに当日集中して聞いても、

自宅や仕事場などでも、継続しないと治りません。

 

1日30分を1回よりも、1回1分で構わないので、できるだけ回数こなすほうが良くなるのです。

 

今日の午後の診察でも、以前ワークショップに参加くださって、

その後、ご自身で運動療法を継続され、ほとんど湿疹が出なくなって、

ステロイドをほとんど塗ることがなくなりました、という方が何人か

受診されました。

 

「昔は、温泉療法などもして、本当に酷かったのに、今、運動療法を

学んでから、あの時の酷かったことが嘘のようにすーっと治っていって、肌がきれいになって、本当に楽チンです。あの頃は一体、何だったんだろうな」と話してくださった方もいらっしゃいました。

 

本当に、「身体の使い方」一つで、こんなにも治りが良くなるのは、

魔法のように不思議に思えるかもしれませんが、効きの悪かったステロイドがすっと効くようになったり、あんなに大量に必要だったステロイドがほとんど不要になったりするのですから、学ばない手はないと

言わざるを得ません。

 

何らかの薬を飲んだり、注射するのではなく、

自らの身体の力で自然治癒力を最大限に開花させることで

アトピーを卒業してゆく。

 

自分の身体と真剣に向き合い、身体の声を聞き、

身体が求める使い方をしてゆくことで、アトピーを卒業する。

 

どんな治療法よりも、自然なやり方で、

副作用がなく、お金もかかりません。

 

1人でも多くの、アトピーに悩む患者さんに

この運動療法が広がることを毎日心から願っています。