【アトピーの戦略的治し方】「しなびたみかん」から学ぶ皮膚が乾燥する理由 | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、

目黒区東が丘 

『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』

院長の 山本綾子です。

 

最近は、

朝晩、随分と冷えてきて、

一日一日、冬が近づいてきているのを感じます。

 

となると、

お肌で気になるのは、「乾燥」という方も

少なくないでしょう。

 

というわけで、

今日のテーマは、

「しなびたみかん」から学ぶ、

「アトピーで皮膚がカサカサして硬くなる理由」です。

 

しなびたみかん?

えっ、なに、なに?

気になるでしょう?(^^)

 

では、早速、お話を始めましょう。

 

皆さんは、

「しなびたみかん」を見たことがありますか?

食べ頃のみかんの皮は、

弾力があってみずみずしいですよね。

しかし、

そのまま時間が経ってしまったみかんの皮は、

水分を失って硬くなります。

みかんの木になっているときは、

枝から栄養をもらって、みずみずしいけれど、

木からもがれて時間が経つと、

枝から栄養をもらえなくなるため、

硬くなってしまう。

 

私もみかんを食べ忘れて、

みかんの皮がしなびれて、

硬くなってしまったことがありました。

 

かなり皮が硬く、

「さすがにもう中は食べられないかな?」と

思いつつ、

もったいないので、

皮を剥いてみて、びっくり!

 

中の実は、まだみずみずしく、

美味しかったのです!

 

そして、

一口食べた瞬間、「あ!」と気付きました。

 

そう、

アトピーで皮膚がカサカサになり、硬くなるのと、

同じなのではないかと。

 

みかんは、枝から栄養をもらえないため、

皮をカチカチにすることで、

中の実をみずみずしいままに、守っている。

 

皮膚は、身体から栄養をもらえなくなると、

皮膚の表面を

カサカサ、カチカチにして硬くすることで、

皮膚の下の、

大切な身体の水分が無くならないように、

守っているのではないか?

 

「身体は何一つ無駄な反応をしない」

とよく言われます。

 

例えば風邪でくしゃみや鼻水が出るのは、

身体の中に入った菌やウィルスを

外に追い出すため。

 

風邪で熱が出るのは、

筋肉をぎゅっと硬くすることで

熱を作り、菌やウィルスを殺すため。

 

足の裏のタコは、

いつも過剰に力がかかっている部分を

守ろうとするために、皮膚が硬くなる。

 

寒い時に鳥肌になるのは、

交感神経が働くことで、

皮膚表面に行く血管をぎゅっと閉めて、

皮膚表面に血液が行かないようにして、

体内温度を下げないようにしているから。

(皮膚表面に血液が行くと寒い外気に近くなって、

体内温度が下がりやすくなります)

 

いくつか例を挙げてみましたが、

起こった反応は、

人間にとって不都合であったとしても、

身体は自分の身を守ろうとして、

様々な反応を起こしています。

 

ならば、

皮膚がカサカサして、硬くなるのも、

「身体を守ろう」としているはず。

 

理由を考えると、

「しなびたみかん」からわかるように、

「身体の水分を保つため」ならば、納得できますね!

 

逆に言えば、

皮膚がカサカサして硬くなっているところは、

身体の水分が足りなくなりつつある、

危機的部位であるという、

身体からのサインなわけです。

身体のまさに、SOSサイン!

 

どうして身体の水分が足りなくなりつつあるかといえば、

みかんが枝から栄養をもらえなくなったように、

身体の隅々にまで

栄養(身体の場合は血流ですね!)が

届けられなくなったから。

 

そう言われてみれば、

重症アトピーの患者さんは、

ひどい冷え症さんや、

ひどいのぼせ(のぼせ冷え)さんですよね。

まさに、

身体の隅々に栄養が届いていない状態。

 

アトピーがひどくて、

自分の身体や皮膚を

呪っている場合ではないのです。

「どうして、私ばかりがこんな目にあうの?」

と恨んでいる場合ではないのです。

 

身体は一生懸命、SOSサインを出し続けてきたのに、

ずっと無視してきたのは、私たち人間のほう。

不快な症状だ、都合の悪い症状だと、

やっつけることばかり考えてきたけれど、

本当は、健気な身体ちゃんが、

「大変だよ、水分が足りなくて、

あなたの身体はカラカラになっているよ!」

と教え続けてくれていたのですね。

 

そうとわかったからには、

きちんと身体からのSOSサインを受け止めて、

すぐに身体を救助に行かねばなりません。

 

その、救助方法を教えてくれるのが、

解剖学に沿った”アトピー発症機序理論”。

身体のSOSサインの読み解き方を

しっかりと教えてくれ、

あなたのその「お困りの症状」を

「身体を健康にするための道しるべ」

に変えてくれるのです。

 

どうして、

「その部位に湿疹が出続けるのか?」

その理由を読み解くことができさえすれば、

アトピーを治すことなんて

簡単なことになってしまうのです。