こんにちは、
皮膚科医 山本綾子です。
今日は、多くの患者さんがお困りの
「顔の湿疹」の治し方のお話です。
ステロイドを使っていても、
なかなか治りが悪くて、
「顔の湿疹にステロイドが効かない！」と、
どうしたらいいか悩んでいるというご相談を
よく耳にします。
効きが悪いからと
ずるずると長期間使って、
ステロイドによる副作用である
ステロイド酒さや、皮膚萎縮に悩まされている、
という声もよく聞きます。
なぜこのような結果になるのでしょうか。
これは簡単に言えば、
「効きの悪いステロイドをずるずると使ってしまった」
ことによる失敗です。
難しく考えずに、本来ならば、
「どうして効きが悪いのか？」
「どうしたら効きを良くできるのか？」
こう考える必要があるのです。
最近あった、一例を紹介します。
登場していただくのは、アラフォーの女性患者さん。
一旦、顔も含めて全身のアトピーはほぼ卒業！
・・・というほどきれいになっていました。
しかし、途中から悪くなってきた姿勢が原因で、
「お腹の谷折り線」が、また見られるようになりました。
「このままだと、ひどくなるよ！」
と忠告してはいたのですが、改善が見られず、
やはり心配していたことが起こりました。
何が起こったのかと言うと、
急激に顔が真っ赤になったのです。
それからは、彼女も本気で姿勢に注意し、
運動療法を再開したりしていました。
しかし困ったことに、
身体の湿疹は、ステロイドが効き、
あっという間にきれいになったのですが、
顔の湿疹だけがなかなか治らない。
こんな場合、多くの患者さんは、
「やっぱりステロイドが効かないんだ」と
脱ステに走ったりするケースが見られます。
しかし「アトピー発症機序理論」に照らし合わせると、
「もしや？？」という
疑問点がひとつ浮かび上がりました。
そうです、
「身体の湿疹が軽くて、顔ばかりがひどい」
というこの状態。
「のぼせ冷え」ですね！
「顔の湿疹を治したければ、
顔に溜まっている血液を下半身にしっかり流せ」
ということです。
下半身に血液を流す運動は？
そうです、「歩く」ですね！
実はこの患者さんには、
半年以上前に、
「しっかりと歩く」に照準を合わせた
アトピー発症機序理論に基づく
運動療法を教えてありました。
そのこともあり、
「もしや、歩き方がおかしくなっているのでは？」
と考え、久しぶりに、私の前で歩いてもらいました。
すると！！！
以前はあんなにきれいに正しく歩けていたのに、
正しい歩き方から程遠い、
いわゆる”無茶苦茶な”歩き方に
戻っていました！
あちゃ～(＞＜;)
原因が分かったからには、
もう一度しっかりと取り組み直しましょう。
もう一度正しい歩き方を
しっかりするように指導してからというもの、
あんなに治りの悪かった顔の湿疹が
数日であっという間にきれいになりました。
ほんの一例ですが、これが
「アトピー発症機序理論」のパワーです。
（しかし、本当はこの方のように遠回りはせず、
一気に治してしまいたいですね。）
治らないアトピーの湿疹を、
一人で「治らない・・・」と悩んでいても、
なにも変わりません。
しっかりと、
「どうしてその場所に湿疹ができるのか？」
という湿疹法則を知って、
最短距離で治すこと。これが大切です。
湿疹法則を学ぶことは、
ステロイドを使っている患者さんだけでなく、
どうしても脱ステでやりたい、
という患者さんにも重要です。
なぜなら、ステロイドを使わない分、
しっかりと戦略を練らなければ、
無駄に苦しむことになりかねないからです。
ただ闇雲に浸出液を出して、
「排毒しているからいいのだ」と
耐えていても、本当の完治はやってきません。
つまり、
「どうして浸出液が出るのか？」
「どこが詰まっているから、浸出液がでるのか？」
このような考え方がとても大切なのです。
◆『皮膚科医 山本綾子 アトピー発症機序理論 公式サイト』 開設
この度、新しく
『皮膚科医 山本綾子 アトピー発症機序理論 公式サイト』
を開設いたしましたので、ご案内致します。
アトピー発症機序理論についての詳細、
改善から根治へのモデルプラン、
そして勉強会やクリニックの情報を網羅しており、
『山本綾子 アトピー発症機序理論』を活用して
アトピー改善・根治を目指す方々のための
サイトとしてご活用いただけるように致します。
【皮膚科医 山本綾子 アトピー発症機序理論 公式サイト】
http://dr-ayakoyamamoto.com/
■■日経トレンディ連載企画■■
◆皮膚科専門医 山本綾子の解決！
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【第5回】
『スマホの普及で顔の湿疹が増えた？（アトピー発症機序理論5）』
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140314/1055939/
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皆さんにとってとても大切なたくさんの記事を、
日経トレンディネットに掲載しています。
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