アトピーの手湿疹②~手はどんなものに触れている? | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは。


前回のブログでお話した、

手湿疹のお話は、非常に大きな反響がありました。


今日は手湿疹のお話の続きになります。


「なぜ、手なの?」

手は、身体にとって、

(1)いろいろなものに触れる部位

(2)心臓から最も遠い部位

でしたね。


今日は、『(1)いろいろなものに触れる部位』

という点からさらに考えてみましょう。


まず手湿疹というと、真っ先に皆さんがやるのが、

「ハンドクリームなどで保湿する」ことと、

「食器洗いなど洗剤を使う際に、必ず手袋を使う」ことでしょうか?


これらは、基本的に非常に大切です。

それすらやっていないよ、という方は、

まずこの基本中の基本から始めてくださいね。


しかし、このブログをお読みの方は、

湿疹でお困りの方が多いと思います。

つまり、これらの基本的なことは当たり前のように

行っているのに、なかなか良くならなくて困っている、

という方が多いのではないでしょうか。


そこで、次に考えるべきことは、何だと思いますか?

それは、

「手はどんなものに触れているか?」

ということです。


食器洗い用の洗剤などは排除しようと、すぐに思いつくのですが、

意外に忘れがちなのが、

「手を洗うハンドソープや石鹸」

「手につけるハンドクリーム」になります。


そうです。

洗剤などと違って、「自分から、わざと手につけるもの」です。


手が荒れやすいからと、良かれと思って選んでいる、

「敏感肌用」「赤ちゃん用」のさまざまなもの。


実は、これらにかぶれているということが結構あります。


石鹸やハンドソープですと、「除菌」するものは、

よくかぶれます。


また、「お肌に優しい植物性○○配合」というものも、

わざわざ入れている、その「植物性のもの」に

かぶれている可能性もあります。


昔から民間で使われてきたアロエ。

かぶれることがあるのは、有名な話です。

また、「オーガニック」のものが肌に優しそうな印象は

ありますが、もしかしたら、その植物○○が

かぶれの原因かもしれません。


石鹸は無添加のものに変えてみましょう。

「無添加」と表示されていても、

「防腐剤が無添加」なだけかもしれませんから、

自分の目で「必ず成分表示を確認すること」が

大切です。


また、使っているハンドクリームも、

「本当にかぶれの可能性がないか?」を再確認する必要があります。

(長期間使っていても、途中からかぶれることもあります)


実際、私も、海外旅行のおみやげとしていただいた、

いい香のボディークリームにかぶれたことがあります。

1日目に使ってみて、ほんのわずかにかゆみがありました。

でも、気のせいかな、という程度。

赤みも湿疹もまったくなし。


2日目。やはりかゆい。

でも、ごくわずかなかゆみ。

ずっとかゆいわけでもなく、ちょっとむずっとする程度。

もちろん、湿疹はゼロ。


3日目。またしても、ごくわずかなかゆみ。


さすがに3日連続でかゆくなると、皮膚科医としては、

「あれ?変だぞ」と思ったわけです。

赤みもなにもないけど、変だな、と。


とてもいい香りのするものでしたから

気に入っていたのですが、

そのボディクリームを中止しました。

案の定、中止してから、かゆみはゼロ!

とても残念でしたが、その気に入っていたクリームは

まだまだたくさん残っていましたが、廃棄しました。

ごく初期のかぶれの場合は、かゆみだけということも

あるのですね


また、かぶれという点で、ちょっと忘れがちなのが、

「消毒用アルコール」。


消毒のために手につけるもの。

また、台所やテーブルを拭く際に吹き付ける消毒用アルコール。


手に直接すり込むアルコール消毒ならば、

すぐに思いつきますが、テーブルを拭く際は、

自分の手に吹き付けているわけではなく、

直接吹き付けるのはテーブルですから忘れがちです。

しかし、こんな間接的なものでも手がカサついてきますから、

注意が必要です。


今日は、「手はいろいろな物にふれる部位である」

という観点から気をつけるべきことをお話しました。


でも、「それくらいのことは、いつも気をつけているよ!」

という方もたくさんいらっしゃるかな?

それくらいの状況の方が、好ましいですね。(笑)



でもこれだけでは、手湿疹のお話は終わりません。


リクエストがございましたら、次は

「手は心臓から最も遠い部位である」という

観点からお話します。

「心臓から遠いと何が問題になるか?」ということですね。

ご自分でもいろいろ考えてみてくださいね。


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