アトピーには、本当にいろいろな要因があります。食事、日頃の動作の癖、精神的要因、運動不足、かぶれなどなど・・・(くわしくは、11月21日の「アトピーは究極の生活習慣病!?」をお読みくださいね)
要因が多ければ多いほど、根治までには努力と時間を要します。そして、その要因がごく少数で、軽度の場合、運が良ければ、ステロイドのみで治ってしまうこともあるのでしょう。(確かに、ステロイドのみで、治ってしまったという例もありますので)
ですが、このブログを読みに来てくださっている患者さんは、きっとステロイド使用の有無にかかわらず、今後の治療に疑問を感じていらっしゃる方が多いのではないかと思います。
私は、アトピー根治にむけての治療を「自分ととことん向き合うこと」だと考えています。
「体」にしても「心」にしても、「今の自分がどのような状態にあるか」を「完全に把握」する。
そして、「その現実から決して目をそらさない」こと。
自分の体を完全に把握するとは、どういうことでしょう?
私たちは日々の生活の中で、体を酷使しています。ずっと同じ姿勢をしていたり、運動不足だったりして、筋肉はカチカチになっています。ある部位は、むくんでいるかもしれません。リンパ節もゴリゴリになっているかもしれません。
あなたは、今、自分の体がどのような状況か、把握できているでしょうか?
皮膚だけに気をとられないでください。皮膚以外の全身の状況に気づいてください。
今までアトピーの治りが悪かったのは、皮膚だけに気をとられていたからではないでしょうか?
自分の体は皮膚だけではありません。筋肉や内臓だって立派な自分の体です。「自分の体すべて」を感じてあげてください。
自分の体すべてを感じるって、どういうことでしょう?
例えば、深呼吸するとき。大きく空気を吸うと、肺の隅々まで酸素が入るのを感じられるかと思います。肺ってここまで広がるんだとびっくりするかもしれません。
例えば、しっかりストレッチをするとき。自分のからだが、こんなにも動くのに、いつもの生活では全然動かしていないことを痛感するかもしれません。
心も同じです。
「自分の本当の気持ち」って、ちゃんと気づいてあげていますか?
「○○しなくてはならない」とか、理性で考えることも時には大切ですが、まずは、自分の本当の気持ちに「自分自身が気づく」ことが大切です。
本当は苦しくて不安なのに、周りに助けを求めるのはカッコ悪いからとかと決め付けているかもしれません。
本当はもう無理って感じているのに、「頑張らなきゃ」と自分でムチを打っているのかもしれません。
本当はできないことでもないのに、自分で「無理」と決め付けているのかもしれません。
「本当の私はどう思っているの?」自分の心に問いかけてみてください。
もしかしたら、カッコ悪い自分、弱い自分、情けない自分を見つけてしまうかもしれません。
それでも、それが「本当の自分」。
まずは、本当の自分から「目を背けないで」ください。
心も、身体も、「自分ととことん向き合って」、いまの自分の現実と向き合ってください。
そこから、すべてが始まります。