シルバーウィークの嫁・舅・姑 その１

前回の義父母との一件を

前置きにして

振り返る私のシルバーウィーク


だんな様の粋なはからいで、

初日は私だけお忍びで帰省することになった

急な仕事で初日は帰れないと

義父母に連絡を入れておいてくれたのだ

ありがたや

小さな町ゆえ、義父母に遭遇する確率も高い。

私は芸能人ばりの完全武装で、現地入り

おかげで、父と母と猫と私で、

久々の、ほのぼのとした

家族みずいらずの時を過ごすことができた

しかし、翌日。

だんな様、帰省予定日

こともあろうに、だんな様、

得意の爆睡癖、休日モードで本領発揮

義父母は何時に帰るのか、色めきたって

だんな様の携帯に何度も着信をいれるものの、音信不通

私は、だんな様が寝ていてくれればくれるほど、

実家で過ごせる時間が長くなるからありがたいわけであって、

あえて寝た子をおこさず作戦でいたのだが・・・

業を煮やした義父母は、

当然一緒にいるであろう私に、今度は矛先をむけてきた

のほほんとしていた平和な団欒の場を

一瞬で凍りつかせる、着信音のとどろき

青ざめる面々

だんな様が音信不通のうちは、

何時に帰れるか義父母に約束ができないから

やたらに電話に出ることもできない。

だからといって、シカトすれば後が怖い

あんな辱めをうけたばかりなだけに、

嫁にやった側である父と母も

あわてふためき始め、

「おまえがここにいることがばれたら、また大変なことになる。

〇〇と今日は別行動したことにして、

おまえだけ先に義父母の家に行ったほうがいい」

それだけは、ぜったい、嫌

妙案を思いついた私は

得意のメール。

「今、電車の中なので、電話に出られなくてすみません。

〇〇君は、昨日夜遅くまでマージャンをしてきたので

今日は寝かせておいてあげたいと思い、

私は一人で新婚旅行のおみやげ配りをしてきました。

今、帰省している途中です。

〇〇君とは、今現在、連絡がとれません。」

義父母にとって、弁慶の泣き所は

だんな様の「マージャン」と「起きない」の２点。

これを盛り込んだメールを送りつければ、

もう、彼らは、ぐうの音も出ない

多少、私を美化する偽装工作はあるものの、

メールの内容にほとんど偽りはないから罪悪感もない。

現にだんな様は、昨日マージャンへ行ったし、

だんな様と連絡がつかない理由は、寝ていること以外に

ありえない。

案の定、義父より

「バカ息子でごめんな。今日は実家に帰っていいから

　明日おいで」

と返信が。

よっしゃーーだんな様のだらしなさのおかげで

もう一泊できる

しかしまだ喜ぶには早い、

だんな様になんとしてでも連絡をとって

口裏をあわせなければ

だんな様に、「これから一緒に帰るよー」なんて嘘を

つかれたら、私の偽装工作と一瞬の優越感が

水の泡になる。それこそすべての嘘がばれて

大変な惨事になる

私は、義父母より先にだんな様と連絡をとらねばと、

自分の携帯からだんな様の携帯へ、

実家の家電から、自宅の家電へ

という同時コール作戦

そして、




私の勝利

家電の番号を知っている私の勝利

なにかとやっかいだからと、

義父母には家電の番号を教えていない、

悪魔な嫁なのだ。

つづく・・・