CTMのバスで戻ればいいのだけど、フェズ からシャウエンを経由してタンジェへ戻るには7〜8時間かかる。
遅れたらもっとだ。
そこでフェズからは鉄道があるので、電車に乗ることにした。
今年開通されたばかりの高速鉄道(新幹線みたいなの)もあるんだけど、フェズからは一度反対方向に電車で行って、高速鉄道に乗り換えてタンジェへ北上しなければならないので、
鈍行で行くことにした。
ただ、現在地はバスターミナル。
駅まで徒歩34分。
ターミナルを出るとタクシーがわんさか。
しつこく声をかけてくる。
フェズのタクシーは赤かった。
どのタクシー会社がいいのかわからないので、ウロウロしてみたけど、あまりにもウザイので歩くことにした。
アプリの地図を見ながら歩く。
途中日陰ではあるけど、なんだか暗めの道を通ったりもしてちょっとドキドキ。
人が多く行き交う大通りに出た時、後ろからおっさんがまとわりついてくる。
あっちだよ!そこを曲がって!とか言ってる。
無視していると、どこのホテル?とかごちゃごちゃ言う。
ウザイ。
無視。
しばらくして諦めたのか、ぶつぶつ言いながら前方へ去って行った。
それ以外は特に声をかけてくる人もいない都会だ。
34分歩いて、駅が見えた。
大きい駅。
中に入るとチケット売り場は列ができている。
そこに並ぶ。
英語が通じて、問題なく明後日の11:15のチケットを買えた。
2等席で、一番安い時間のチケットをネットで探してあったのでスムーズだった。
(でもネットで買えなかった)
これで帰りの足はOK。
では予約しているホテルがあるメディナへ向かおう。
アプリ地図を見ると、徒歩41分。
タクシーにしましょ。
駅を出ると正面に赤いタクシーがズラリと並んでいる。
向かって行くと、いきなり横から「タクシー?」とタバコを吸っていたおっさんに声をかけられる。
ホテルの名前を見せ、いくらか聞く。
50ディハルム。
フィフテーンと言っておいてフィフティを請求する手は知っていたので、「1?5?」と確認すると最初から「フィフティ!5!0!」と言っていた。
高い気がする。
けど、シャウエンで相場を聞くのを忘れた。
とにかくメーターをオンにしてもらおう。
とメーターを付けてと言うと、「いや、50で決まっているから」と言い張る。
50ディルハムだと¥570くらいだから、ぼったくられていてもあまり害はないか?
と思いながら、タクシー出発。
容器に喋るおっさん。
モロッコどう?いいでしょう!?とか、
ここは城なんだよ、でっかいでしょ!とか、ガイドもしている。
日本人だとわかると「日本人ってとってもグッドね!」と言うので何でそう思うか聞いてみた。
「日本人はみんなモロッコが良いと言う」から。
という変な答えが返ってきた。
シャウエンのホテルのフレンドリーなスタッフも「日本人ってとっても良い人たち!」と言っていた。
でも「ぼったくり易くていいよね」と言っているようにしか聞こえない。
(シャウエン のホテルの人は、フレンドリーでレストランとか教えてくれたりしたけど、マリファナを勧めてきた。いらん!と言うと、何で?みたいな反応だった)
駅から5分ほどでメディナの入口に到着。
ここからは車は入れない。
フェズのメディナは、モロッコ一の迷路の町。
メディナ全体が世界遺産。
ホテルに位置を合わせ、アプリの地図を見ながら歩いて行く。
メディナは店と人でいっぱい。
10分ぐらい歩いたけど、ホテルがない。
アプリで指しているところには、店さえない。
もしかして裏側なのかとも思ったけど、そもそも裏なんてない。
来た道を引き返して、仕方なく近くにいたお店の人に聞く。
それでもわからなくて、もうひとりに聞く。
というか、聞いている人と違う人が首を突っ込んでくる。
誰だこいつ、という感じしかしない。
戻ってきた道を途中まで戻り、左に曲がる。
と教えてもらい歩き始めた途端、子どもがホテルの名前を言いながら、知ってるよ!こっちこっち!とまとわりついてくる。
ここでは子どもが勝手に道案内をしてチップを請求するというのが多いので、無視していると、曲がった先をどんどん入って案内しようとするので、
立ち止まって「問題ないから!(いらん!ウザイから消えろ!何でホテル名知ってんだよ!お前に言ってねーだろ!)」と語気を強めてビシッと言う。
去った。
はー、ウザかった。
今日いちばんのウザさだった。
路地に入ってもホテルは見つからず。
曲がる前に見にくい看板は見つけたけど。
暗い路地を行ったり来たりしてみると、わっかりにくいドアがあった。
ドアをノックすると、中から人が出てきた。
全然無事じゃないけど到着。
アプリの地図はびっくりするぐらい違う場所を指していた。
ホテル名もちゃんと表記して。
結果的に、メディナの門からメインの通りをまっすぐ来て曲がればいいだけだったのに、あっちを通ったりこっちを曲がったりした。
フェズ のメディナだから仕方ない分を差し引いても、本当に使えない地図だ。
ホテルに着くと、歓迎二言目に「今日はどうだった?」と聞かれたので、「まぁまぁかな」と答えた。
超イライラしてるけど。
チェックインするのに、書類を自分で書かされ(何を書けばいいかわからない事項とかあるからストレス)、宿泊代はカードシステムがないから現金じゃないとダメだと言われる。
いや、先に言っておけよ。
予約する時点でも何も書いてなかったし、その後場所の案内だとか連絡くれたけど、カードの件はなかった。
現金で払ったら、また下ろさなきゃいけないじゃん。
ユーロでもいいと言われたけど、ユーロも少し足りず、ユーロとディルハムで合わせて払った。
ムカつくわー。
それなのにまた「今日はどうだった?」と聞いてくる。
「疲れたよ、ここ全然見つからなくてウロウロしたから」と言った。
部屋は個室。
トイレもシャワーも部屋内。
でも入口から入ってきたレセプションダイニングがある真横。
横というか続き部屋。
両開きのドアは完全には閉まらず、ダイニングで話している内容までしっかり聞こえてくる。
一応ホテルなので騒ぐ人はいないけど、いやだ、ここ。
予約サイトで評価も口コミもとても良かったけど、実際に来てみないとわからないというホテルだった。
でもモロッコのホテルはクオリティが低いというのが定番なので仕方がない。
荷物を置いて、早速聞いてみる、タクシーの値段を。
ホテルのスタッフは、フレンドリーだけど超癖のある英語で、そこまで話せるわけでもない(本人は話せると思っているみたいだけど)
今日の状況が中々伝わらなかったけど、結果的に駅からここまでのタクシー代は高くても8〜10ディルハム。
私が50ディルハム払ったと言ったら、目が飛び出すぐらい驚いて、ヒャッヒャッと笑ってた。
次!次!(に活かせ)と。
ぼったくられるにも程があるくらい、ぼったくられていた。
むっかつく。
値切れなかった自分も悪いけど、カモにされているとわかると気分が悪くて仕方がない。
地獄へ堕ちろ。
明後日駅まで行くときには、一緒にタクシーまで来てくれることになったから、きっと次は大丈夫。
その後も、オススメの場所とか聞いてみた。
古ーいコピーの地図を引っ張り出して来て説明してくれたけど、よくわからず。
私もざっと調べてはあったけど、イマイチここがどこなのかもわからず。
そしてこの人の英語もわからず。
「2000年前の」という建物の話の時「years」さえわからなかった。
書いてくれたけど、字もぐにゃぐにゃしていて読めず。
「英語わかる?」と言われてイラッとする。
お前の英語だと思っている英語がわからないんだよ!
まぁでも、陽気なんだかラリっているのかはわからないけど、親切ではある。
お腹が空いているので何か食べたい、と言うとオススメのレストランへ連れて行ってくれた。
お店の人は丁寧で親切だった。
結局今日もタジン。
お店人オススメのビーフタジン。
正直昨日の方が好みではあったけど、美味しい。
周りの黒いのは、多分プルーン。
不思議な組み合わせだった。
お腹が膨れたら、19:00。
歩き回ろう。
ホテルとレストランがあるのは、多分メインの通り。
メディナは迷路だけど、2本の通りを押さえておけば大丈夫らしい。とネットで読んだ。
たしかに。
この通りをまっすぐ歩いていると、さっきタクシーを降りて門の前に出た。
反対に歩いて行くと、店が果てしなく続き、下り坂になっている。
もっと先まで行くと帰りが大変そうだと思い、隣の通りに移って引き返す。
また門に出た。
なるほど。
店を見ながら往復して1時間くらいだった。
明日もっと見て回ろう。
フェズのメディナは、迷うのが面白いらしい。
迷いすぎも困るけど。