妖共 ~Unearthly Guys~
第一匹 悪鬼羅刹 3
2
澄み渡った空に生暖かい風。
もうすぐ秋だというのに少し歩いただけでうっすらと首筋に汗が浮かんでくる。
―今日は薄着を着てきて正解だったな。
ピンクのキャミソールの上にレースの上着を羽織り、下はデニムのショートパンツ。
そんな可愛らしい服装を着て歩く道は、情緒ある瓦屋根が立ち並ぶ住宅街。
―なぁーんかちょっとずれてるよなぁ…。
辺りの景色と自分の服との差に高田亜美は苦笑する。
亜美は手に握り締めていたメモ用紙をもう一度確認した。
「うーん…。ここら辺のはずなんだけどなぁ…?」
さっきからずっと似たような風景が続いている。
これでは目的の家が一体何処にあるかなぞ、特定出来なさそうだ。
それに亜美の足はもう棒だ。
「もうちょっと詳しく書いて欲しかったな…」
メモ用紙には簡単な地図と目的地に赤く大きな丸がうってあるだけ。
「あたしこれでよくここまでたどり着けたなぁー」
意味も無く彼女は太陽の光にメモ用紙を当ててみる。
―まぁ、彼女らしいっちゃらしいかな。
幼馴染のにっと笑った元気な顔を思い浮かべる。
―こんなとこで諦めてちゃダメだよね!
自分に渇を入れ、また目的の家を探す作業へと戻る。
―それにしても人がいないなぁ…。
さっきから亜美以外に道を歩いている人を見かけない。
それどころか家からも人の気配すら感じられない。
―これって…家見つけても中に人が居ない~なんてオチじゃないよね?
大きなため息をついた時、亜美の視界に一軒の家が目に留まった。
窓が全開に開いており、微かではあるが人声が聞こえる。
亜美は足の痛みも忘れ、その家向かって一直線に走っていった。
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「あっつ!何で今年はこんなにあっちぃんだ?」
「人間達が自分勝手なことばっかりして環境を悪くしたからなんだってぇ~」
「じゃあ、あっちぃ思いするのは人間だけで十分だ!俺達も巻き添えにするな!!」
「無茶苦茶な言い分だねぇ~」
窓が全開に開いている部屋の中で、そんなほのぼのとした会話を繰り広げている『妖』が二匹。
「だいたいよぉーこんなクソあちぃ時に停電だぁ!?ふざけんのも大概にしろってーの」
ソファーに寝転がり、団扇でパタパタと自分に風を送り続けている青年、雷千(ライチ)は不服そうに言う。
「でも元はと言えば、停電したのもライのせいでしょぉ~?」
溶けかかっているアイスをペロペロと舐め続けている少女、ミイは雷千をじっと見つめて言う。
「ライが、おっきな電流流したらエアコン涼しくなるんじゃないかってコンセントに電気流したのがいけないんでしょぉ~」
「何だよ、知ったような口聞きやがって」
口をへの字に曲げ、子供のような表情を浮かべる。
「知ってるもなにも、コンセントに逆流して電気を流せばどぉーにかなる事くらい普通に分かるでしょぉ」
手に滴り落ちたアイスの汁をペロリと舐めながら、ミイは最もな正論を言う。
「…俺は分からなかった」
「ライは例外ぃ~」
相変わらずの表情で雷千は団扇を扇ぎ続ける。
「ライもさぁ~そんなところでごろごろしてないで、皆みたいに復旧作業手伝いにいけばぁ~?」
「あ?なんで街のほとんどの奴等が出向いてるってのに俺まで行かなきゃならねぇんだよ」
「馬鹿なライでも手伝えることがあるかもしれないから」
食べ終えたアイスの棒をゴミ箱に放り投げながらミイはぴしゃりと言い放った。
「…。俺出掛けてくるわ」
ソファーから起き上がり、出掛ける準備をし始める。
ミイはそれに満足したかのようににっこりと笑う。
「いってらっしゃぁ~い♪」
「おぉー」
雷千は首に白いタオルを巻くと、玄関の扉を開けた。
扉の目の前。
雷千の正に目と鼻の先。
そこには『人』が一人、佇んでいた。
「高田さん?」
「ら、雷千さん…」
つい最近、正確には昨日の夜に知り合った人との思わぬ登場に雷千は口をあんぐりと開ける。
だが亜美は、雷千よりも数倍驚いたように大きな瞳をさらに大きくしいていた。
「え~。これってさぁ~運命の再開って奴ぅ~?」
雷千の後ろからいたずらな笑みを浮かべたミイの顔が覗く。
それを聞いた亜美が慌てて雷千から視線を外したのが、雷千には不思議でたまらなかった。
*+あとがき+*
こんにちはor初めまして!雷武です☆
前回書き忘れていたのですが、「妖共」にいつも沢山のコメント有難う御座います☆いつも励みにしています。
…何とか月曜日更新出来ましたよ!!今回は前回より文章が上手くまとまったかな、と思ってます。雷千君とミイちゃんの会話のくだりは書いてて楽しかったですww
では、ここまで読んで下さって有難う御座います!!来週もお楽しみに~♪←
£余談£
小説の感想、アドバイス等がありましたらコメント宜しくお願いします☆勿論、小説、キャラの質問も受け付けています!!