演劇は未だに「高度経済成長期」 | Stage life of Himeno

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劇団Яeality/演劇デザイナーの香西姫乃です。
主に小劇場の演劇について、つらつらと考えていることを書いて行きます。

高度経済成長期ってどんなイメージでしょう?

 

私的には、どんどん工業や生活が発展してきて、

人々が豊かになっていく、という感じなのですが、

今回はそういう意味で使っていません。

 

高度経済成長期は、「モノ」がたくさん作られていた時代。

今の演劇と通ずるものがあるな、と思いました。

 

 

「モノ」で溢れている

 
東京は、世界一の演劇都市だと聞いたことがあります。
ブロードウェイよりも演劇人口が多いんですって。
ちょっとびっくりですよね。
 
演劇、ここでは舞台公演のことですが
東京だけでも毎日何十もの公演が行われていますよね。
いわば、演劇舞台という「モノ」が溢れている状態です。
 
「モノ」が溢れているということは、それだけ消費する人もいるということです。
でも演劇の消費者って誰でしょう?
 
劇団四季や宝塚などは違いますが、
「小劇場」と呼ばれる界隈には
大体同じ人しかいないんじゃないかな。。。
と思います。
新規でポン、と小劇場に行くってなかなか勇気がいるし
まず小劇場という文化があまり知られていない。
 
これは、小さな世界で同じ人が「モノ」を作りそれを消費している、ということになります。
 
どうして新しい人が来にくいのだろう。
どうして劇団四季や宝塚は「行ってみたい」と思うのだろう。
 
そこには、時代という大きな差があると思うのです。
 
 

現代社会は「情報社会」

 
現代は情報社会と言われています。
今はインターネットで自分の欲しい情報が簡単に手に入る時代ですよね。
 
劇団四季や宝塚は、インターネットで情報を得やすいです。
HPもある、作品もイメージしやすい、どんな人が役者なのかもわかる、口コミもたくさんあってハズレがない印象。。。
 
これ、とても大きいと思うのです。
 
原作がある舞台や、誰もが知っている劇団が行う舞台ならお金を出せる、という人が多くいます。
それは、口コミの効果が絶大なのではないか、と。
 
原作は多くのファンがいて、そのファンたちはおそらく週刊誌などでその漫画を読んで、その週刊誌は自分たちのブランドを確立していて……。
 
その「ブランド」というものが評価されて安心材料となり、
「この週刊誌買ってみよう」「この漫画面白い」「好きな漫画が舞台化」「観に行ってみよう」
という感じかな、と。
 
これが小説だったら作者のファンや、店員さんのおすすめなんかが「ブランド」になりますよね。SNSでバズってるのも同じです。
 
今の時代は、高度経済成長期のように、
「良いモノを作っていれば自然に売れる」
という時代ではなく
「信頼できる情報(ブランド)が良いと言っているものは興味がわく」
「情報がないものは信頼できない」→「お金払いたくない」
という時代なのです。
 
 

これからは「知識社会」

 
今は情報社会という「信頼できる情報にお金を払う」という時代ですが、
これからは「自分に役立つ経験や知識にお金を払う」時代になると思います。
 
情報社会になっていない小劇場界隈が、いきなり知識社会に適応するのは難しいと考えます。
今、情報社会に適応しなければ、私達はもっと時代から遅れていき
衰退の一途を辿ってしまうのではないでしょうか。