作戦決行の日。
アルク達は政庁の橋に集まっているようです。
それでは安定の妄想でゆきます(^^ゞ
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第13話〈街の防衛戦線〉
夕方。
「彩虹」ギルドの団員と例の精鋭ギルドの団員は、政庁へと続く橋の前に座っていた。
団員と言っても、橋の前にいる「彩虹」ギルドのメンバーはアルクとアカとシロだけだ。
橋の手すりに座っているアカは眠たそうにあくびする。
アカ「ふぁぁ…朝からずっと見張ってるけど、ほんまに今日来るん?
そもそも、襲撃犯って正面から来るもんなん?そいつアホちゃう?」
アルク「そんなの俺に言われても…
クロが『あいつはここぞと言う時必ず正面から来る』って言ってたんだよ、自信満々に。」
「にわかには信じられないけどな…」
アルクの説明に、盾使いも頷く。
――と、その時。
ズドオォォンッ!
突然、街の門の方から爆発のような音が聞こえてきた。
門から白煙が昇る。
アルク「―来たぞ!」
アカ「ほんまに正面から来よった…」
「総員、戦闘準備!」
盾使いの号令に、アルク達は一斉に武器を構える。
それまで街を歩いていた住人達も、慌てるように家の中へと避難した。
しんとした街の向こうから、黒い影が悠然と歩いてくる。
手にはあの黒い結晶の槍。
アルクはアカの前に立ち弓を構えた。
矢をつがえ、黒い影に照準を合わせる。
アルク「よくもうちのギルドの仲間を!アカの仇を討ってやるから覚悟しろ!!」
アカ「私死んでへんよ~。それと、後衛が近接武器の前に立たんといて欲しいんやけどな~。」
「それは言えてるな。盾より前に出たら意味ないだろ。」
前衛二人に咎められ、アルクは渋々後退する。
どんな状況でもキマまらないのがアルクである。
一方で、アルク達を見据える黒い影――もとい、ファルは眉を潜めた。
「陽動のおかげで、街の守備が薄くなってるのは良かったけど…やっぱり精鋭が護衛についてるのな。」
ファルは槍を構える。
その眼に静かな殺気を湛えて。
アカは、ギュ…と大剣の柄を握り、ファルを睨んだ。
大丈夫、恐れはない。
今、私の中にあるのは――
アカ「行くで!!今度はやられへん、リベンジや!」
アカが叫ぶと同時に盾使い、続いてアカが駆け出した。
ファル「ボくの邪魔をする奴は、その盾もろとも貫くのな!」
ファルは槍を前に突き出し、一直線に盾使いへと突進する。
しかし、槍が盾に届く直前。
盾使いは、瞬時に盾を下げて剣を前に構えた。
「正面が無理なら、受け流すまで!」
ギィィインッ
金属が擦れる鋭い音が鳴り、槍は軌道を変えて空を斬る。
ファル「な…!」
ファルは慌てて距離を取ろうとするも、既にアカが目の前まで迫っていた。
アカ「威力なら私も負けへんで!」
ブンッと鈍い音を鳴らせ、アカは大剣を豪快に振る。
ファルは槍の柄で受け止めるが、その衝撃力に耐えきれず後ろへ吹っ飛ばされる。
そしてファルが足を地につけるよりも速く、
アルク「メーバショット!」
アルクの矢がファルの足元を捕らえた。
ファルの足にネバネバした液体が絡み付き、ファルの動きが鈍る。
アルク「今だ、行けクロ!」
ファル「!?」
アルクの叫び声と同時に、建物の屋根の上からクロが飛び降りてきた。
拳を掲げ、ファルの方へ落ちてくる。
ファル「クロ…そういう事な…」
ファルは目を伏せる。
その目の前には、クロの拳が迫っていた。
To be continued...
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完璧な連携で攻撃を仕掛けるアルク達。
クロの一撃は届くのか…?
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