二次創作Ⅵ(9) | ~トーラムメモ(オルクス・SAOIF兼)~

~トーラムメモ(オルクス・SAOIF兼)~

【注意】
・主にシナリオの感想・考察・NPCまとめになるため、倒し方とかの攻略系は有りませぬm(_ _)m

すらまっぱぎー…やかんです(^^ゞ


ファルについて行くか、仲間との生活を続けるか…。クロはどちらを選ぶのか。

それでは安定の妄想でゆきます(^^ゞ

────────────────────
第9話〈記憶の無い者〉

クロはファルの手を掴み――

その手を振り払った。

クロ「…ぼくは協力できない。」

ファル「な…ヴァル、シアナス様との約束破る気な…?」

クロ「約束って言っても…もうシアナスはいないし、神だって代が変わってる。
確かにぼくらは神にひどい目に合わされたんだろうけど、今は自由に生きられる。それで良いんじゃ」

ファル「分かってないな!!」

ファルは地面に刺さった槍を引き抜き、クロの顔に向けた。
ファルの顔には怒りが滲み出ているようだ。

ファル「ヴァルは記憶が無いからそんな事が言えるのな!ボくらが受けた屈辱は、そんな風に割り切れるものじゃないな…
ヴァルが協力しないなら、ボく一人でやるんだな。」

クロ「…ごめんな。ぼくには記憶が無いから…」

クロの目は悲しそうに揺れる。
ファルはそれを見て一瞬うろたえたが、槍を下げると竜洞穴の出口へ跳躍した。

ファル「せいぜい…神に守られてる人間と仲良しごっこしてなよな…」

そう言い残すと、ファルはその場を去っていった。
残されたクロは、竜洞穴の中央にある黒い結晶を見つめる。

クロ「仲良しごっこ…か。」

ぼくには神に何をされたかの記憶がない。許せないのは分かるが、ファルの憎悪を完全に理解することは出来ない。
あそこまでシアナスとの約束を守ろうとする気持ちも。

記憶があるか無いかで、これほどまでに差が生まれるとは。

ぼくも記憶を失う前は、ファルと同じ感情を抱いていたんだろうか。
そうなら、ぼくはファルと一緒に行った方が良かったのだろうか。

その答えが出ないまま、ぼくはいつの間にかソフィアの街まで戻ってきていた。

**********

シロ「――あっ、やっと帰ってきた!」

昼過ぎ。
シロは酒場の入り口の前で仁王立ちして、帰ってきたクロに手を振る。

シロ「クロが帰ってこないから、いつまでたっても昼ご飯食べられないよ!」

クロ「ごめん…」

しょぼんとするクロを見て、シロはため息をつく。

シロ「もう、皆待ってるからはやく行こっ!」

シロはクロの手を引く。
しかし、クロは不意に立ち止まった。

クロ「シロ…ぼくは、これからもここに居ていいと思う?」

シロ「はあぁ?何でそんなバカみたいなこと…」

シロはクロを見て口を閉じた。
クロの顔はいつも通り無表情のまま。
しかし、繋いだクロの手には力がこもっていた。

真剣に訊いてるんだ。

そう感じたシロは、もう片方の手も繋いだ手の上に乗せた。

シロ「当たり前でしょ?クロはギルドの仲間なんだから。」

真っ直ぐに、ちゃんと伝わるように、
クロの目を見て答える。

シロが映ったクロの瞳は一瞬揺らぎ、やわらかく微笑んだ。こういうクロの笑顔はめったに見ることがない。

シロ「それに、エルデンバウムクーヘンの再現もしてもらわなくっちゃ困るからね!!」

一瞬にして、クロの顔から笑顔が消えた。
見るからにげんなりとした顔。
以前に試した再現が不評で、クロは料理に関して未だ立ち直れていないのだ。

クロ「え…まだ諦めてなかったの?あれ作るのもう嫌なんだけど。」

シロ「そんなこと言わない!ほらはやく、私もお腹すいてるんだからね!」

クロ「…ぼくの喜び返して。」

クロは引きずられるように酒場の中へ入っていった…

To be continued...
────────────────────

帰ってみると、そこにはいつもの仲間。
一方のファルはどう動くのか…

────────────────────