治療を終えたアカは、
自室で安静にしている様子。
そこへ、アルクが訪れます。
それでは安定の妄想でゆきます(^^ゞ
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第7話〈襲撃のキズ跡〉
アルク「アカいいか、入るぞ。」
「ガチャ」という音がして、アルクが部屋の中に入ってくる。
アカのマイルームには布団が敷かれ、アカはそこで横になっていた。
アカはアルクの存在に気づくなり、横になったまま手を振った。
いつも人一倍せわしないせいか、いっそう弱々しく見える。
アルク「…傷は痛むか?」
アカ「まあ、昨日の今日やからな。でも治療してもらったおかげで、明日にはもう動けるって。
魔法ってほんま凄いよなぁー。」
アルク「そうか…」
アルクは静かに布団の横に座ると、黙ったまま俯いた。
アカはそんなアルクを見た後、窓の外へと視線を移す。
アカ「そういや、あの後大丈夫やったん?」
アルク「ああ…アカのおかげで皆無事だよ。アカを運んだ後も引き続き警戒を続けたけど、犯人は戻って来なかった。
今は政庁に申請して、寺院の警備に衛兵を割いてもらってる。」
アカ「そっか…」
アカが頷くと、再び部屋は静寂に包まれる。
アカ「…そういや、他の皆はどうしたん?」
アルク「あぁ…。ヴェルトは、ギルド会議の日程を打ち合わせに行ってる。プルミエルジェムの防衛は最優先事項だからな。
他の皆はまだ寝てるよ。アオは一晩中アカを見守ってたのもあるからな。
シロも昨日魔法を使い込んで疲れたみたいだ。
クロが寝てるのはいつも通りだけどな。」
すると部屋のドアがガチャンと開き、慌ただしくシロが入ってきた。
シロ「おはよう!すっかり寝坊しちゃった…。
アカ、大丈夫!?お医者さんがちゃんと治療してくれたけど痛いところとか」
アカ「大丈夫やで~、落ち着きシロ。
明日にはもう動けるから心配あらへんよ。昨日はありがとうな、ずっと止血しとってくれたんやろ?」
アカの顔を見たシロは、ようやく安堵の表情を浮かべる。
――と、そこで初めてアルクの存在に気づく。
シロ「あっ…ご、ごめん!なんか二人っきりの良い雰囲気を邪魔しちゃったよね!
わ、私、クロを起こしてくる!」
アルク「ちょ…ご、誤解だ!」
アカ「そういうんやないって…」
アルクとアカの弁解も虚しく、シロは再び慌ただしく部屋を出ていった。
アルクとアカは、気まずそうに顔を背ける。
アルク「お、俺も…ヴェルトもそろそろ帰ってくるだろうし、酒場に行ってるよ。」
アルクはアカから顔をそらしたまま、部屋のドアを開ける。
部屋を出ようとしたとき、アカはアルクを呼び止めた。
アカ「あ…アルクな。あんま責任感じんといてな。私が怪我したんは、私が自分から飛び出したからなんやから。」
アルク「――分かってる。」
アルクは部屋を出ると、ゆっくりとドアを閉めた。
廊下に出たアルクは、静かに拳を握り締める。
アルク(考えないなんて出来るわけないだろ…俺は団長なんだぞ。あの時、矢が当たったことで警戒が緩んだ。司令塔として絶対に油断しちゃいけなかったのに…)
一方で、アカは部屋の窓から空を眺めながらため息をついた。
アカ「アルクの分かったは全然分かってへんときやからなぁ。変に気負わんといて欲しいんやけど…」
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アカとアルクの心情を知るよしもないシロは、クロの部屋のドアを叩いていた。
シロ「クロー、もうお昼になるよー。」
何度か呼び掛けるが、返事がない。
シロ「もう、クロは特に何にもしてなかったのに~。…入るよ!」
シロはドアを開け、クロの部屋へ入る。
…しかし、部屋には誰もいなかった。
シロ「…クロ?」
部屋に装備品はなく、窓から入り込む風でカーテンだけが揺れている。
シロは、何故か胸がざわつくのを感じた。
To be continued...
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アカが怪我した事に責任を感じるアルク。
一方で、クロはいつの間にかどこかへ出掛けていったようです…
ちなみにトーラムでのSPADE黒は、
ここ数日間ずっと小型デミマキナ製造工場に籠って、ひたすら傭兵と一緒にダスクマキナを倒しまくってます(笑)
そろそろオデロンマキナかなぁ~(^^;
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