二次創作Ⅳ(20) | ~トーラムメモ(オルクス・SAOIF兼)~

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【注意】
・主にシナリオの感想・考察・NPCまとめになるため、倒し方とかの攻略系は有りませぬm(_ _)m

すらまっぱぎー…やかんです(^^ゞ

戦いに勝ったアカ達。
しかし、アカはかなり重症です。
今回も安定の妄想でゆきます(^^ゞ

クロ「むにゃ……あれ、まだ終わってない?」

シロ「開幕!(-""-;)」

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第20話 里の改新

アカはアカネ達に傷の手当てをされていた。改めて見ると、戦えていたとは思えない程に重症である。
背中の傷は思ったより浅く、負傷した右目も深傷でなかったのが幸いだが、もう右目が見える事はないだろう。

アオ「ごめんなさい、私のせいで、こんな…」

アオは涙ながらにアカの手を握る。アカは弱々しく、首を横に振った。

アカ「ええんよ。自分の思った事を通したんやから、この怪我も私のせいや。それより、もうこれでアオを縛る奴はおらんで。これからは自由に――」

そう言いかけた時。
ザッザッという足音と共に、複数の兵士達が山道を登ってきた。中には、少し地位の高そうな着物を着ている人もいる。

アカ「うへ…まだおるんか?」

アカギ「いや…違います。この人達は領主の事を不審がってた近臣の…」

近臣は負傷しているアカを見つけると、近くの衛兵に何か指示を出した。
すると杖を持った兵がアカの側まで駆けつけ、治癒魔法をかけ始めた。

「私は癒術師です。ですが、傷を塞ぐことは出来ても、右目はもう…」

アカ「いや、分かってるよ。それよりありがとうな。あんたらは、味方…て事でええんよな?」

「はい。あそこにおられる我々の主は、昨晩の夜中にアカギさんから領主様の企みを聞き、領主様の地位を廃する手はずを整えていたんです。」

アカ「企み?」

治癒魔法が効いてきたのか、アカは起き上がってアカギを見る。

アカギ「アカさんを助ける前に、近臣に伝えとこう、と。
領主は表向きには他の里からの侵攻を防ぐためだと言って、鍛冶屋を館に集めました。最初は本当にそうだったんだと思います。
けど、占いを始めてから侵攻を受ける不安が無くなったのか、今度は自分から他の里へ侵攻しようと武器を作らせていたんです。」

アカ「さっき領主が言ってた、更なる繁栄ってその事なんか…」

アカは介抱されている領主を見ながらため息をついた。

「我が主は武器を作る資材の仕入れが異常に増えている事を確認し、領主様の地位を廃する事を皆と合意したのです。
これからは占いではなく、里の間の事も政(まつりごと)も、話し合いで行っていくと…」

アカ「あー、政治の話はよう分からんから省いて?あ、でも話し合いすんのはええ事やと思うよ。…さて、と。」

傷を完全に塞いでもらったアカは立ち上がると、地面に置いていた太刀を拾い上げた。
あれほどの激戦だったにも関わらず、相変わらず刃こぼれの無い刀身は陽の光を反射して煌めいている。アカの目は輝いた。

アカ「これこそ私が探してた絶対に折れへん剣や!これ、持って帰りたいんやけど…」

アカネ達を見ると、苦笑いをしながら近臣の方をちらっと見ている。近臣はこちらの視線に気づいたのか、2、3人の護衛をつけて歩いてきた。
流石に御神体を持ち出すというのは難しいか――そう思ったが、近臣が口にしたのは意外な答えだった。

近臣「その刀はあなたを守り通しました。洞窟の中で錆びゆくより、あなたといた方が役に立つと思います。どうぞ、お持ちください。」

アカ「それほんま!?よっ……しゃぁああ!」

アカは太刀を握りしめながら、喜びを全身で表すかのようにその場で飛び跳ねた。
これでうちのギルドに良い報告が出来る…
そう思った時、突然後ろからアオに声をかけられた。振り返ってみると、前髪を戻したアオがもじもじしながらアカを見上げていた。

アオ「その…私の事、連れていって貰えないかな?」

アカ「えっ?」

アカは目を瞬かせた。てっきり、アオは再びアカネ達と暮らすと思っていたからだ。

アオ「私、ずっと外の世界に憧れてたの。山の向こうには何があるんだろう、とか。
アカネ達とお別れするのは寂しいけど、それでも私は外の世界を沢山見たい。ずっと忘れていたけど、それが私の信念…みたいなものなの。」

アカとアカネ達はしばらく顔を見合わせていたが、笑顔でアオに振り向いた。

アカネ「そうね、あたし達もとても寂しくなるわ…けど、それがアオの本当の願いなんだもん。あたし、アオの願いを応援する!」

アカ「うちのギルドに来たらええよ。変な奴おるけど、間違いなく広い世界を沢山見れるで!一緒に行こ!」

アオの赤く染まった頬を、あたたかい涙が伝う。そして涙をぬぐうと、満面の笑みを浮かべながら思いきりアカに抱きついた。

アオ「ありがとう…私、これからはアカに“ついて”いくわ!」

ピシッ

アオの言葉と同時に、アカの持つ太刀から何かが割れる音がした。
見てみると、刀身の真ん中に大きな亀裂が入っているではないか。
ぎょっとしていると、刀身はまるで桜の花びらのように、表面から薄く剥がれてゆき、風に乗ってあっという間に空へと舞い上がっていった。
陽の光が反射してきらきらと煌めきながら空へと消えていく。

アカ「そっそんな…なんでやー!!」

満面の笑みで抱きつくアオ。
一方でアカは、残された刀の柄だけを手に、大空へ向けて悲痛な叫びを上げたのだった。

To be continued...
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二次創作Ⅳ(最終回)

アカはとうとう、目的の武器を手に入れられませんでしたね(^^;
次回は最終回…!

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トーラム二次創作まとめ
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