サッカー、フットサルをやっている人のためにできること | 杉浦文哉オフィシャルブログ「スポーツライターは現場でしょ!?」Powered by Ameba

サッカー、フットサルをやっている人のためにできること

私は阪神大震災を経験しました。

当時大学1年生だった私は震災の翌日に徒歩で三宮から西宮北口へ移動し、電車を乗り継ぎ2日がかりで千葉の実家に戻りました。
実家に向かう途中、偶然会った中学時代の同級生に被災して帰省してきた事を話したのですが、その人は、

「そういえば大きな地震があったらしいね」

という程度の反応でした。
千葉県は地震が多く、震度4程度でもあまり気にしない人が多いからかもしれませんが、被災者とTVでしか見ていない人では感じ方に大きな違いがあるのは事実です。それは今回の震災でもあると思います。

阪神大震災から1週間後、大学の用事があって神戸へ戻ったのですが、綺麗だった街並みは戦場のようで、歩くのにもひと苦労でした。しかし、それ以上に痛感したのは、避難所で生活していた人たちでした。
食料や睡眠場所は確保できても、ストレスは溜まり続ける一方で、復興するモチベーションはどうやったらでてくるのだろう?と心配でした。
当時、家庭教師をしていた子どもの親は震災前までお酒が飲めなかったのですが、ストレス解消のためにお酒を飲むようになり、さらにはお酒が無ければ眠れないという状況が数年間続きました。

募金や食料などはもちろん大事ですし、阪神大震災で被災した私も非常に助かりました。ただ、それだけではストレスや心労はなかなか解決できないと感じました。

人それぞれ解決方法は異なりますが、フットサルやサッカーでしかできないこと、今、茨城や東北で暮らす人たちが「フットサルやサッカーをやっていて良かった」と思えるような事が、我々ができる最高の支援なのかと。

ボールやシューズ、簡易のフットサル用ゴールや人工芝がもしもあれば、そこに人が集まってくるでしょう。
そして、楽しむことで少しでもストレスが解消されれば、ちょっとした苦労があっても乗り越えていけるのではないでしょうか。

阪神大震災でも、それまでほとんど使われる事が無かった大学の小さなグラウンドも、震災直後は子どもや学生が結構サッカーや野球などで使われる頻度が増え、私も場所の確保に苦労しました。その当時は、自分たちがサッカーをする場所が他の人たちに取られて残念な気持ちでしたが、今考えると喜ばしいことなのかもしれません。

プロレスリング・ノアでの鈴木みのるのコメント を読んで、16年前の事を思い出してみました。