時代の流れ | 杉浦文哉オフィシャルブログ「スポーツライターは現場でしょ!?」Powered by Ameba

時代の流れ

今日は、Jユースカップの予選、東京V対札幌の試合に行ってきた。

結果は2-0で東京Vの勝利だったが、内容は札幌のほうが良かった。特に前後半ともに終盤は札幌が一方的に押す展開で、東京Vは防戦一方。


札幌はFW、MF、DFの3つのラインがコンパクトにまとまり、複数人でプレッシャーをかけてボールを奪うと、中盤でショートパスをつないで崩す。ここまでは良かったが、最後のところでスルーパスが長かったり、シュートを打つ前に判断を誤ってプレーが雑になったりして、12本のシュート以上にチャンスを逃していた。


東京VはDFラインが何とか食い止めたものの、全体が下げられた状況から攻撃をしなければならかったため、ボールを持った選手へのサポートが遅く、札幌の早いプレスに悪戦苦闘した。


少ないチャンスも無茶なドリブル突破やパスミスで自滅してしまい、得点はDFラインからのロングボール1本で相手DFの裏へ抜けた真野がGKとの1対1で放ったループシュートと、高木善の綺麗な弧を描いてゴール左上に突き刺さった直接FKと、ワンチャンスによるものだった。


今日の東京Vは札幌が良かったとはいえ、今年見た中で一番悪い内容だっただろう。1年生が多く、3年生も進路が決まってモチベーションが保ちにくい時期かもしれないが、全体的に運動量が少なく、マイボールでも相手ボールでもボールへのサポートがなかった。そのため孤立する選手が多く、リズミカルな展開が見られなかった。


個人技に優れる選手が多いため仕方のないことなのかもしれないが、ドリブル突破がとても多い。1対1なら抜けるので良いかもしれないが、1対2や3になると厳しい。だが、それでも抜こうとする傾向が両チームに見られた。今年結果を残しているFC東京や浦和、柏などはドリブルもできるがパスも出すし、ボールを持っていない選手もパスコースに顔を出す判断力が優れている。


最近、A代表で個で仕掛けられる選手が重宝されているためか、幼稚園~中学生あたりまでで、「個の重要性」が強調されている。あと5年もすれば、原口元気(浦和)のような強烈なドリブラーが出てくるだろう。しかし、そのときになると今度はドリブラーばかりで、チームをオーガナイズする選手が不足し、チームの連携が課題となってしまうだろう。


ユースなどは今の子供たちに何が足りないのかをしっかり考えて、その対策を立てているところが結果を残している。あとはそれがどうトップに食い込めて生かされるか?


難しいところだけど、「バランスが大事」というのが今日の収穫だった。