Jリーグの大激動 | 杉浦文哉オフィシャルブログ「スポーツライターは現場でしょ!?」Powered by Ameba

Jリーグの大激動

Jリーグにおいて、以前から話題になっているいくつかの大きな問題がここへきて急に沸いてきた。
・秋春制への移行
・移籍金撤廃
・アジア枠

これら1つ1つが問題なのだが、それよりも3つ同時に行われようとしているのが各クラブにしてみれば大問題である。

秋春に移行する事で北のクラブは除雪問題を真剣に考えなければならなくて、莫大なコストがかかってくる可能性もある。それ以外のクラブは楽かといわれればそういうわけでもなく、遠征で行けなくなったなんてことが無いように対策を練らなければならない。

アジア枠も一見すると良い話だが、優良なアジア人選手が増えることは間違いない。そうなると1席だが日本人選手が減ることになる。そこをどうするか、クラブに問われる。

そして移籍金撤廃。「撤廃」と言っても完全無料というわけではなく、今までの移籍金というより契約期間の概念が問題なので、この言葉が適切だとは思わない。
それてしまった話を戻すと、要は欧州の考えと同じで、選手の契約期間が切れたら移籍金0で移籍できるということを日本にも適用しようという話である。
過去に日本から海外へ移籍した日本人選手の移籍金で何度も問題が生じたこともあり、このままでは海外から取り残されてしまう。これは前述の秋春制にも関連してくる。シーズンの開始時期が異なれば、日本の開幕前に選手を獲得したくても、海外の選手たちはまだクラブと契約期間中なので、移籍金が生じてしまう。また、その逆もしかり。

これによって、クラブは移籍金を確保するためだけでなく、選手を流出させないためにも、必要な選手との契約を複数年にせざるを得なくなる。となれば、選手側もそれを狙って年俸を高く要求してくる。その結果、クラブ側は人件費が高騰してしまう。

移籍金撤廃は個人的には良いことだと思うが、アメリカのNFLやMLB、NBAなどのようにサラリーキャップ制を取り入れなければ、間違いなく破滅するクラブが出てくるだろう。
まぁ、イタリアのアタランタのように選手を育成して、移籍金を稼ぐのをメインにすると割り切ってしまえば生き残れるだろうが、全クラブがそれをするのは不可能である。
だからこそ、何らかの対処が必要だろう。

これら全てに関連するが、サッカーの基準は欧州であり、そしてW杯を中心に全てが決まってくる。だから、2010年シーズンに決められないとあた4年後という話になる。
と簡単な話ではなく、もうちょっと複雑な話で、日本の自治体の計画が5年スパン。つまり、2010年はサッカー界周期と自治体周期がちょうどピッタリあう年なのだ。

だからこれを逃してしまうと、今度のチャンスは20年後?という可能性もある。