頂上決戦と新戦力の発掘 | 杉浦文哉オフィシャルブログ「スポーツライターは現場でしょ!?」Powered by Ameba

頂上決戦と新戦力の発掘

「ハシゴは昨日でこりごり」と思っていたが、今日はJユースカップで午前中に浦和vs柏を、午後から東京V対水戸とハシゴしてしまった。

高円宮杯を圧勝した浦和とクラブユース選手権で連動性の高さを示して、スペインの大会で3位に入った柏の試合は、個人スキルの高さやハードワークだけでなく、お互いが何をしたいのかがはっきりしていたため、とても見ごたえのある試合だった。

しいてあげれば、浦和の高橋、阪野といった選手が欠場したのが残念だった。それが影響してか、先制したもののその後が続かず、クリアボールを前線の選手がキープできず、中盤も押し上げきれずにあわただしい状況でボールを奪われる場面が多々見られた。そのため、中盤の山田らも本来の実力を発揮できず、ボールにあまり絡めなかった。
結局、中盤まで下がってきた原口が起点となるしかなく、彼からのロングボールでバイタルエリアを飛ばして相手のDFラインの裏ばかりを狙っていたので、決定的な形は少なかった。

一方、柏も仙石や酒井といった将来性がある選手が不在だったものの、代わりに出場した選手たちが頑張り、開始早々に浦和に先制されたが、前半15分頃からはほとんど柏ペースの試合展開だった。
前線の3枚がボールをキープでき、その間に他の選手が寄る理想的な攻撃が随所で見られた。柏は左右だけでなく、前後の選手間の意思疎通が取れており、FWへの楔やFWを追い越すフリーランニングなどが機能し、3人目のサポートも浦和よりも多かったのが、逆転できた勝因だろう。

高い個のスキルに組織がプラスされた両チームの試合を見た後、急いでよみうりランドまで移動。東京V対水戸の試合に「間に合った!!」と思ったが、グランドには誰もいない…。予定表を見ても日時は合っているはずなのに。
「帰ろうかな」と思ったら、「トウキョウヴェルディ」という図太いサポーターの声が遠くから聞こえた。
近くの張り紙を見たら、今日は別のコートで試合をやっている。
結局、着いたのが前半20分過ぎだったが、0-0だったのが唯一の救いだった。

試合は東京Vが終始押して、水戸が鋭いカウンターで反撃という展開だったが、東京Vの攻撃陣のドリブルには毎回ながら眼を奪われる。とにかくドリブルが速く、狭いスペースでもグイグイ進めるのが魅力だ。ただ、ドリブルが多すぎて、チームとして持ち味を発揮しきれていない感じがした。
富所、高木善、小林といった主力を欠いても新1年生が活躍したのがこの試合の収穫だろう。まだまだ線が細い選手が多いが、今公式戦に出場した経験は来年になって大きな自信につながるし、自分の課題も見つけられるから大事なことだろう。

試合後、柴田東京V監督から話を聞かせてもらったが、技術以外の部分に課題がまだまだあるという。


まぁ、あれだけ個人技のスキルが高い東京Vだからよけいに他の部分が浮き彫りになる贅沢な悩みだと思った。