強豪対決の明暗を分けたもの | 杉浦文哉オフィシャルブログ「スポーツライターは現場でしょ!?」Powered by Ameba

強豪対決の明暗を分けたもの

2ndラウンドの初戦のスペインvsロシア戦は、近代フットサルの代表的とも言える見ごたえのある試合だった。

ハビ・ロドリゲスもフェルナンダウも出場していたのにはビックリだったが(予選の累積警告は消えるらしい)、それでもスペインはしっかり守ってカウンターでチャンスを狙い、見事に勝利した。

特に先制点を奪うまではの慎重さは、さすが王者!!と言える。単なる強豪だけじゃなく、王者になるには1つのミスも許されず、しっかりと作戦を遂行できてきたからこそ過去2大会連覇を成し遂げられた。そして、先制点のアルバロの右サイドから左足で素早く放って逆サイドへ決めたシュートは、その前のマルセロのパスカットを含め、崩せない相手に対して、これしかないというゴールだった。その積み重ねが勝利につながる。

今大会で日本は、小曽戸や稲葉らドリブラーがところどころで活躍したが、彼らのドリブルだけでは強豪には勝てないし、彼ら以上のドリブラーが現れてもそれだけでは強豪とは渡り合えない。惨敗を喫した日本が、今まで以上に考えなければならない事だろう。

スペインはこの試合、自らのミスで一時は逆転を許してヒヤリとしただろうが、アルバロしかり、同点弾を仰け反りながらもねじ込んだトーラスしかり、PKをしっかり決めたダニエルしかり、強いチームは得点できる強さを持っており、修羅場を潜り抜けてきたから、「絶対に勝てる」という自信を持っていたはず。

アルバロが得点後に、人差し指で自分のこめかみを指していた。強さの秘訣は経験とそれから学んだ賢さにあるかもしれない。