「酒でもどうだ」

高級ホテル

グラスを揺らす

「もうあなたと寝たくない」

「男ができたんだな」
「いつもは素直に私を求めてくれるのに」

「それはあなたがそうしないと俺がこの仕事につくことを許してくれなかった」

「そうだ」
「いつでも辞めてくれていい」
「嫌だ」
「あなたと寝るくらいなら死ぬ」
つばきは部屋を飛び出す
「困った子だ」
つばきの父は電話する


「取り押さえる必要はない」
「ただ目を離すな」
グラスをゆっくりテーブルに置く


つばきは街をさまよっていた

酒瓶を片手に強い酒を煽る

ふとウジの車に似たオープンカーが止まってる

中を覗き込むとキーがついたまま

つばきは誰の物かもわからないその車を運転して海へ

「どうしてあなたはひと言もなく一人で逝ってしまった」

「何故俺も一緒に連れて逝ってくれなかったんですか」
つばきは足を滑らせ誤って海に落ちる



《白い‥》

《真っ白だ》
つばきは病室で目を覚ます

「母親のまねか」
「くだらん」

「今度こんな真似をしたら私はお前から全ての自由を奪う」

「よく肝に命じておくことだ」
つばきの父親は立ち去る

「ウジ‥」
つばきのつぶやき