新書版は図書館にはなかったので、文庫版を借りてみました。
女性皇族としては初の博士号を授与された彬子様のオックスフォードでの体験記になります![]()
新書版がTwitter(X)でバズっていたことは知ってはいたのですが(確か「王様のブランチ」でも紹介されていた)新書版を読みたいなぁと思っていたところでした。
「博士課程を成し遂げた者しか袖を通すことが許されない赤と青のガウンには、くじけそうになったときにふと頭に浮かび、オックスフォードにときの自分に立ち返らせてくれる「目標」だった」(あとがきより抜粋)
日常会話ですら話すのが困難な状況で(学習院大学を受講中にどうやらオックスフォードへ留学されたようです)それでも父の寬仁親王の第一子としてご誕生された彬子様は、父が通っていたオックスフォードへ自然と通うことを夢見て(というか、半ば強制?)勉学に励み、なんとかオックスフォードへの聴講生として留学に漕ぎ着け、そして、英国へ旅立ったというところから話は始まっています。
そこからとにかく1年間は聴講生としてなんとか周囲と溶け込もうとするのですが、とにかく英語がおぼつかない中での留学で、話を聞くだけで精一杯。
しかし、最初の学期が終わる頃にはなんだか話すことが理解することができるようになったというのはさすがは現地で生の英語を聞いたきただけのことはあるなぁとしみじみ。
そんな中で日本では護衛として常にそばにいる皇宮護衛艦のことを話される時には少しクスッとした場面も。
シオダさんという方がその時には護衛をされてらっしゃったようなのですが、なんと彬子様の後ろを常にくっついていた100キロ超の巨漢の男がいる!ということで、英国にいた方に通報されそうになったこととか、英国での幽霊列車(読んでみてのお楽しみです)に乗った時のこととか、仲良くしてくれた指導教官のこととか、あとは何人もの友人たちとの会話。
その全てがみずみずしく語られています。
そして、ラスト、5年間の厳しい英国での勉学の結果、博士号の証である赤と青のガウンを着ることを許された従書式。
思わず涙が溢れました。
そして、父の寬仁様との思い出。
「私自身、そんなものをプレゼントしたことなど忘れていたし「議論のできない」幼稚園生の私がつくったものを今も大切にもっておられるなんて思ってもみなかった。それから二十五年以上ものあいだ、何回か父のお財布が代替わりしたのは知っている。その都度、「おとうまのおさいふ」を忘れずに入れ直してくださっていたのである。父が亡くなられて数日たち、涙も涸れたかと思ったころだった。父にどれだけ大切にしていただいたかをあらためて感じ、あふれる涙はほんとうに止まらなかった。部屋に戻ってひとしきり泣いた」(P368ページより)
「おとうまのおさいふ」とはかつて幼稚園に通っていた彬子様がお父様に送られた折り紙で作り、プレゼントした何気ない贈り物でした。
それをお財布が代替わりすることにお財布の中に入れて持ち歩いてくれていたお父様のことを思い、きっと思い出が溢れたのでしょうね。
私も読んでいて、涙、涙でした。
そんなこんなでおすすめの一冊とさせていただきます。(長くなってごめんね)


